人民日報「日本人がハワイを好む理由」とは
■価値観や文化に共通点がある!?■
「日本人はなぜハワイが好きなのか?」という記事を、お固いはずの中国共産党の機関紙「人民日報」が論じているのを見つけた。「別に、ほっといてくれよ」と言いたいところだが、興味半分で読んでみると、「ハワイの自然と共生する価値観や文化が日本人と共通しているからではないか」と至極まともに結論づけていた。
人民日報では、「日本からハワイに行くより、グアムの方が近く、費用も安いのに・・・」と疑問を呈す。が、ハワイには美しい海や空に加え、豊富な自然が残っており、ショッピングも満喫できるとことを挙げながらも、「同じような条件を持つリゾート地はハワイだけではないが、それでも日本人はハワイが大好きなようだ」と、不思議がる。
記者たちが日本人にハワイが好きな理由を取材したところ、最も多かった回答は「ハワイは癒されるから」だったことを指摘。この結論には全く異議はない。「それなら、その癒やしはハワイの何がもたらしているのか?」と問題提議し、人民日報では「ハワイの言葉が癒しの源ではないか」とユニークな推論をしている。
「日本語は世界でも珍しい母音を中心に発音する言語で、実はハワイ語も同様」で、WAIKIKI(ワイキキ)などのように、基本的にローマ字読みに近い表記のハワイ語は日本人にとって発音が容易だと主張する。つまり、「日本語とハワイ語の共通点が日本人に親近感を持たせているのではないか」と、根拠づけている。
また、日本でもフラは大きなブームになっているが、ゆったりしたフラのリズムやダンスに加え、ウクレレの素朴な音色はハワイの文化を体現。日本人がフラやウクレレに関心を抱くあたりにも、「ハワイの文化や自然と共生する価値観が日本人と共通項が多く、こうした独特の風情に日本人は癒やされるのではないか」と伝えている。
ハワイに10年以上住んでいる立場からいえば、かつて苦労された日系移民の方々が延々と築いてこられたハワイでの日系人の地位や信頼が根底にあるのは間違いないだろう。つまり、日本人にとって心理的な距離が近く、ハワイは居心地が良い。日本的な文化や食べ物が今もあちこちに息づき、日本語そのものが通じる場面も多い。究極は、年間を通して過ごしやすい、この温暖な気候とハワイの人たちの優しさが、「癒し」の源ではないだろうか?