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海水温の上昇でハワイのサンゴ礁が悲鳴

■今年のハワイは蒸し暑い■

 常夏ハワイでも、長年住んでいると微妙な四季の変化を感じ取ることができる。朝晩のちょっとした冷え込みであったり、水道水に触れた時の冷たさで、短い秋から冬の訪れを実感する。

 10月にもなると、朝晩もやや涼しくなり、夜は窓を閉めて寝ることが通常だが、今年はやや趣が異なっている。ワイキキで知人や友人に会うと、「今年は蒸し暑いですね?」が挨拶。実際、夜、窓を開けて寝ても汗ばむことが多いようだ。

 原因と思われるのが、ハワイ本来の北からの涼しい貿易風があまり吹かず、南からの湿気を含んだ暑い大気がハワイ諸島に流れ込んでいるらしい。実際、10月2日のホノルルの最高気温は32.8℃。これは、1995年以来の記録だそうだ。これまでの最高気温が1986年に記録された34.4℃ということで、歴代の最高気温に次ぐ高温となっている。

 今年は夏前から例年になく蒸し暑く、10月というのに、まだ当分、ハワイの暑さが収まる気配が薄い。といっても、われわれは短パン、Tシャツで過ごせる訳だが、深刻なのがハワイ近海のサンゴ礁が、悲鳴を上げている。

 ハワイ大学の研究者らによると、北からの乾いた涼しい貿易風が少なく、南からの湿気のある空気が流れ込むことで、今年は例年より海水温が2度以上高くなっているそうだ。高い温度の海水が蒸発し、湿気を帯びた不快な環境を作り出している。

 サンゴは、それ自体ほとんど色がなく、実は細胞内の褐虫藻の色がサンゴの色のように見える。ところが、1996年ごろのエルニーニョ現象などで海水温が上昇し、サンゴに大きなストレスがかかって褐虫藻が逃げ出したり、死滅すると、サンゴ本来の白色になる。これがサンゴの「白化現象」で、世界的にも問題となっている。

 ハワイ大学の研究者らの調査で、今年9月の海水温は1940年以来という30℃をマークした。通常は最高でも28.3℃が上限だった。ハナウマ湾やカネオヘ湾での調査では、サンゴ種の75%が白化の兆候を示している。ホノルルから約1,600km北西の海でもサンゴの白化現象を確認。予想を上回る深刻さ、ということだ。同研究者らは「毎年この時期に、ある程度、サンゴの白化現象を見ることは一般的だが、今年は平均を超えている」と、警告を発している。

 サンゴ礁の回復には、乾いた涼しい貿易風を待つしかないようだが、研究者らは涼しくなるまでに、この状態が4から6週間続けば、事態はさらに悪化する、とみている。

◎ハワイ大学海洋生物学研究所

HP:www.hawaii.edu

 

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