ハワイ島の「すばる望遠鏡」が故障
■冷却液漏れで観測を中断■
ハワイ島マウナケア山頂付近の標高約4200mにある国立天文台の世界最大級の光学赤外線望遠鏡「すばる望遠鏡」(口径8.2m)が5日までに、望遠鏡の最上部辺りで焦点を合わせる部分から、観測装置を冷却するための液体が漏れていることが分かり、当面、修復作業のために中断することになった。関係者の話では、「相当量が漏れたとみられる」とコメントしている。
同関係者によると、現地時間2日午後7時半ごろ、観測を終えて望遠鏡の格納作業中、誤動作の警報が点灯。職員が調べたところ、望遠鏡の最上部にあり焦点を合わせる部分付近が何らかの理由で故障し、自動車の不凍液などに用いられるエチレングリコールというアルコールの一種と水を混合したものが漏れていた。
総工費約400億円を投じたすばる望遠鏡は、1999年に試験観測をスタートし、翌2000年から本格稼働。暗い天体が観測できる集光力を備え、月程度の大きさなら一度に観測できる広い視野を持つ。これまでに遠方の銀河を発見するなど、今後の成果に期待されている。