「おとり捜査」で売春婦との性的関係はOK!?
■ハワイ州議会で審議が紛糾■
売春を取り締まるハワイ州法の改正案を審議していた州議会で先月、ホノルル警察が以前削除されていた条項の復活を求めたことで、委員会は紛糾し、一部で猛烈な批判を浴びている。というのも、問題となっている条項は、捜査官に売春婦と性的関係を持つことを認める内容だからだ。
2月に行われた州議会の委員会で、ホノルル警察で風俗犯罪を担当する部署から「おとり捜査を無駄にしないためには、捜査官が本物の客らしく振る舞う必要性もある」と主張し、条項の復活を求めた。なぜなら、売春業者も巧妙で、客がおとり捜査官ではないのかと、いろいろ調べているからだ。時には、捜査官自身に危険が及ぶこともあるので、なおさら客らしく振る舞うには、性的関係を持たないと疑われる、という。
この主張には、この条項を復活させると、捜査官という地位を乱用して、売春婦に性的行為を強要する危険を高めるのでは、という反論が出た。また、人権擁護団体からは、かつての「売春は被害者がいない犯罪」という非常に古い考え方によるものと指摘し、ホノルル警察を批判している。
ちなみに、地元メディアでは、米連邦捜査局(FBI)の性犯罪取締まりの元捜査官のコメントを紹介し、「おとり捜査を実施している捜査官に、性的行為を認めている米国の連邦法や州法は他にはない」と、ホノルル警察の主張を一蹴している。
知人にFBIで現役の麻薬捜査官がいるが、空手4段の黒帯で、筋骨隆々のたくましい体に、常に2丁のけん銃を所持し、オフのときでもジーンズのベルトあたりに小型のけん銃を挟んでいるのを見たことがある。売春や薬物犯罪などでは、他の捜査手法では容疑者を検挙するのが難しく、時におとり捜査が行われるが、いつも危険とは背中合わせ・・・
夜のワイキキで、すれ違う男性に声をかけ、一目でその世界の方と分かるお姉さん(時には、女装したお兄さんもいるらしい)が闊歩している横を、制服警察官が何もなかったように通り過ぎている。