米国出入国時に必要だった「I-94」カードが廃止
■有効なビザを持って入国する場合に適用■
米国での出入国時に必要な「I-94」(出入国記録)について、米国税関国境警備局(CBP)は5月21日までに、出入国記録の自動化システムを導入し、I-94フォームを原則として廃止した。
これまで留学生(F-1ビザ)やインターン(J-1ビザ)だけでなく、就労ビザなど、米国非移民査証(ビザ)を取得している外国人は,米国に入国する際に入国審査官に、I-94フォーム(出入国記録カード)を提出していた。入国が承認されると、パスポートに必要事項が記入されたI-94の一部をホチキスで綴じられるのが通常の手続きだった。
ところが、4月30日以降、5月21日まで毎週、段階的に、ホノルル国際空港などの空路、またはホノルル港などの海路で米国に入国する場合,運航会社(航空会社や船会社)の乗客情報を基に、CBPが電子的に入国記録を作成するため、これまで必要だったI-94フォームを提出する必要が無くなった。
これまで滞在資格などは,入国審査後に旅券(パスポート)に綴じられるI-94フォームで滞在資格などを立証できていた。CBPによると今後、米国内での運転免許証やソーシャルセキュリティ番号の 申請などのため出入国記録情報が必要な場合には、CBPのウェブサイト( www.cbp.gov/I94)からオンラインで出入国記録情報(番号)を入手することができる。
なお、90日以内のビザなし観光などで、ESTAを取得して空路で米国へ入国する場合は、すでにI-94Wの記入は不要になっている。ただし、車で陸路での入国の場合には,従来どおり I-94フォームの提出が必要となる。
この自動化により、CBPでは旅行者へI-94への記載を要求せず、旅行者の入国・出国記録は独自の記録データで確認している。パスポートにはスタンプが押され、旅行者の入国日、ビザの種類、滞在許可期限日が記載される。米国を出国時のプロセスには大きな変更はない。すでに 紙のI-94がある場合は、出国時に航空会社またはCBP へ提出する。