「すばる望遠鏡」が最も遠い銀河観測に成功
■ハワイ島から宇宙の「夜明け」にきらめく銀河を発見■
ハワイ島マウナケア山頂付近の標高約4200mにある国立天文台の世界最大級光学赤外線望遠鏡「すばる望遠鏡」(口径8.2m)が、地球から129・1億光年離れた最も遠い銀河「GN-108036」の観測に成功したことがこのほど明らかになった。宇宙誕生の仕組みを知る上で、貴重な手掛かりとなりそうだ。
国立天文台ハワイ観測所によると、今回すばる望遠鏡などの観測結果は、今年4月に欧州のグループが発見した銀河の記録を1000万光年上回っている。宇宙誕生のビッグバン理論に基づくと、宇宙は時間と空間の区別がつかない一種の「無」の状態から誕生し、爆発的に膨張。それが約137億光年前(宇宙年齢)とされていることから、今回の宇宙が生まれて間もない頃の銀河の発見は、進化を研究する上で重要な手掛かりとされている。
ハワイ観測所の関係者は「宇宙の夜明けが、どういう状態でいつだったのかを探るために、遠くの銀河を研究するのは大切だ。銀河の誕生から成長の謎に迫れるのでは」とコメント。また、日本や米国、カナダなど5カ国は、さらに銀河を細かく見ることが可能な超巨大望遠鏡の建設を計画している。今後、生命が生存するために適した環境を持つ地球のような「第2の地球」の観測も積極的に進める方針という。