日系人部隊に米国民最高の勲章
■「長い旅だったが、栄誉ある旅だった」■
第2次世界大戦で米国のために欧州の最も危険と言われる激戦地で戦った「日系人部隊」に、米国民最高の「議会名誉黄金勲章」を授与する式典がさる2日、連邦議会内で行われた。式典にはハワイ出身のダニエル・イノウエ上院歳出委員長をはじめ、欧州戦線で戦った陸軍第442連隊と第100歩兵大隊などの出身者や家族らが出席。この法案には、オバマ大統領が昨年10月に署名していた。
式典では、日系人部隊の兵士としてドイツ軍と戦い、右腕を失ったイノウエ上院歳出委員長が代表して議会名誉黄金勲章を受け取り、「長い旅だったが、栄誉ある旅だった。みなさんに感謝します」と述べた。また、共和党のベイナー下院議長は式辞で「内では人種差別、外ではファシズムという2つの戦いに身を投じ、勇敢さと国家への献身を示したみなさんの功績を永遠に称える」と、語った。
当時、日本軍の真珠湾攻撃に伴い、反日感情が高まる中で日系人は厳しい差別を受け、多くが「敵性外国人」として強制収容所に入れられた。が、米国への忠誠心を証明するため日系人部隊に志願。「誰ひとりとして、生きて故郷に帰れるとは思っていなかった」青年兵士たちは、勇猛果敢に戦った。米国に残してきた家族らは、収容所の中。欧州の激戦地で多くの死傷者を出しながら功績を挙げ、終戦から66という年月を経て日系人部隊の功績が改めて評価されたものといえる。
第33代大統領トルーマンに「諸君は敵だけでなく偏見とも闘い、勝ったのだ」と言わせた第442連隊戦闘団。フランスのボージュ山地で包囲されていた大隊を救出した功績が有名だ。イタリア戦線に送られた第100歩兵大隊と並び、第二次大戦中で最強の米陸軍といわれ、その規模と活動期間では史上最も多くの勲章を獲得したことで今も日系人の誇りとされている。