■州議会で可決、知事が近く署名

同性カップルを法的に夫婦と同様に扱い、同性同士の結婚を事実上認めるハワイ州法改正案が先日、ハワイ州議会上院で、賛成多数で可決された。下院は既に通過済み。替わったばかりの民主党・アバクロンビー新知事は「（今回の州法改正案は）われわれの多様性を尊重し、平等の価値をさらに強めるものだ」と評価する声明を発表しているだけに、近く署名、来年1月から施行される見通し。

ハワイ州では、1993年に州最高裁が同性婚をほぼ認める、当時としては画期的な判断を示していた。以来、同性婚をめぐり、「法の下の平等か、伝統的な家族観の維持か」と、世論を二分する激しい議論が交わされてきた。

全米では、すでに首都ワシントンとアイオワやマサチューセッツなど５州で同性婚が認められている。ハワイ州の改正案では、同性による婚姻そのものまでは認めておらず、同性カップルによる「シビル・ユニオン（共同生活）」を認め、ほぼ男女の夫婦と同様の権利を保障するものとなっている。

ハワイで概ね進歩的とされるメディアでは賛意を表明しているが、どちらかといえば保守的な土地柄のハワイの民意は「伝統的な家族観が崩壊する」と反対が多数とされている。