カウアイ島最後のサトウキビ工場閉鎖へ
発祥の地カウアイ島から砂糖が消える
1892年からカウアイ島でサトウキビ工場を運営してきた「ゲイ・アンド・ロビンソン社」が昨日、すでに発表していた閉鎖期日より約1年早く、今年10月後半に閉鎖することを明らかにした。ハワイ最初の商業用砂糖生産は、1835年に同島コロアで製造。同社は島最古のサトウキビ・プランテーションだったが、累積赤字と砂糖価格の低下で、閉鎖に追い込まれた。
かつてはハワイの基幹産業だったサトウキビ・プランテーション。そこでの労働力を確保するために、日本などアジアからの移民も行われた。それがハワイ日系人のルーツ。ピーク時には75のサトウキビ工場があったが、ゲイ・アンド・ロビンソン社の工場閉鎖により、マウイ島のハワイアン・コマーシャル・アンド・シュガー社がハワイ最後の砂糖生産工場となる。
ゲイ・アンド・ロビンソン社のE.・アラン・ケネット社長は昨夜、「カウアイ島では、もう1年成熟するのを待って、来年収穫することもできるが、砂糖の価格が1980年来で最も高いうちに全てを収穫することにした」と閉鎖を早めた理由をコメント。現在、砂糖の国際価格は1パウンド当たり23セントで、「暗雲の中の一筋の光明。莫大な閉鎖費用の少しはカバーできるでしょう」と同社長は寂しげに語った。
同社の話では、残っている従業員で家畜牧場や、広大なサトウキビ畑を再利用して新しいエネルギーとして注目を集めているエタノールの原料を取り扱う計画もある。
1976年から砂糖事業に携わってきたケネット社長は「今日、従業員に早くなった工場閉鎖の話をした。今までで、一番辛い仕事だった。ハワイでサトウキビ・プランテーション発祥の地カウアイ島から砂糖が無くなることは悲しい・・・」とつぶやいた、という。