JALが米デルタ航空と資本提携へ
果たしてハワイ便の利便性は?
深刻な業績不振に陥っている「日本航空」は、世界最大の米デルタ航空と業務提携し、数百億円規模の支援を受ける方向で、本格的な交渉に入ったことが12日までに明らかになった。路線数が多いデルタ航空との関係強化で、収支構造を改善するのが狙い。欧州最大手のエールフランス・KLMから出資を受けることも検討中で、世界最大の航空グループとして共同運航などを進め、経営再建を図るとみられる。JAL、デルタ航空(ノースウエスト)ともハワイ便を運航中だが、果たして利用者の利便性は高まるのだろうか?
燃料価格の高騰や不況による利用者減などの影響で、世界的に大規模な航空再編が続いている。JALは昨秋の金融危機以降、利用者の減少で業績が悪化。今年4月から6月までの決算で過去最大の990億円の最終赤字に陥り、深刻な経営不振に見舞われている。この交渉が実現すれば、デルタ航空がJALの筆頭株主となり、外資の力を借りて経営を安定させることになるが、今後も厳しい経営環境は続く見通し。今回の資本提携案は、JAL再建を監督する国土交通省の肝いりで、外国航空会社との提携に踏み切ったとみられている。
デルタ航空は昨年10月にノースウエスト航空を吸収合併し、利用客数では世界最大。米ジョージア州アトランタに本社を置き、2005年9月に米連邦破産法(日本の民事再生法に相当)の適用を申請し、07年4月に再建手続きを完了。世界中に張り巡らされた約300の航空ネットワークが強みとなっている。
両社は共同運航などで独自の機材や人員などを抑えつつ、世界的な路線網を大幅に拡大できることで、コスト削減の選択肢が広がるとみられている。JALは今後、外資の経営参画による不採算路線の廃止、人員削減、給与引き下げなどのリストラが急ピッチで進むとの見方もある。