海の貴婦人「海王丸」が明日ホノルルへ出航
出航時には登墻礼(とうしょうれい)を実施
世界中から「海の貴婦人」と賞され、愛されている大型練習帆船「海王丸」が日本時間の1月11日午後2時、オアフ島ホノルルに向けた遠洋航海に出航することが10日明らかになりました。期間は3月7日までの往復57日間。横浜港を出航、2月7日にホノルル港到着後、13日までの1週間かけて実習生が日替わりで船上実習と休暇にあてる計画。なお、横浜港での出港時には、実習生たちが掛け声と共に高さ50mのマストに駆け上り、4本あるマストのすべての帆ゲタに並んで一斉に帽子を振って、見送りの人たちへの感謝の意を表す登墻礼(とうしょうれい)という帆船で最高の儀礼が行われることになっています。
海王丸は商船学校の練習船として誕生した帆船。昨年10月1日から3ヵ月間、商船高等専門学校航海科の実習生79人が乗船し、日本国内で航海訓練を実施していました。今回の遠洋航海では、厳しい気象条件下となる冬季の北太平洋で長期間にわたる昼夜を問わない共同作業や生活を通して、船員としての資質向上を目指すのが目的となっています。ホノルルでの1週間の船上実習と休暇後は、再び東京へ向かう予定。これまでに海王丸の遠洋航海は、豪州・ブリスベン、米国・サンフランシスコ、スペイン・バルセロナなどで行われており、毎年実習地は異なっています。
外洋での航海術を習得するために建造された海王丸は「日本の海の王者たれ」と昭和5年2月14日の進水以来、これまでに約106万海里(地球約50周分)を航海し、約11200人の海の若者たちを育ててきました。現在は、商船関係の学校を卒業した生徒などを対象に、実習訓練を行う国土交通省所管の独立行政法人「航海訓練所」の所属となっています。