ハワイの移住情報、ハワイ・インターンシップ(J-1ビザ)、留学ならハワイロードにお任せください。夢を全力でサポートいたします。

Contact Us

どうなるハワイの空と海の壮絶なバトル!?

画像

ゴー!旋風が吹き荒れる / スーパーフェリーも波高し? 

楽園ハワイの青空の下で島間航空運賃の値下げ競争が激化し、ついには訴訟沙汰にまで発展している。ハワイアン航空、アロハ航空という地元2社の寡占状態だった島間路線に、アリゾナ州フェニックスに本社をもつメサ航空傘下の「ゴー!航空」が昨年6月から新規参入したことが発端。一時、片道19ドルというホノルル国際空港からワイキキへ移動するタクシー代より安い格安航空券が登場し、ついに限定1000枚ながら片道1ドルという異例の低価格航空券まで飛び出した。利用者サイドからなら歓迎すべきだが、地元2社は生き残りをかけて値下げ競争に追随。だが、2年目に入った激しい値下げ競争の末、すでに昨年3社の損失額合計は1億ドル以上ともいわれ、雲行きが怪しくなってきている。一方、鳴り物入りで8月末に初出航した「ハワイ・スーパーフェリー」は自然環境への影響調査という難問を突きつけられ、運航できない状態が続いている。

画像

■格安島間航空券戦争
ゴー!航空は昨年6月9日の初就航以来、ハワイの島間運航便に格安航空券キャンペーンを次々に実施。これまでに$39、$29、$19、$9、$1など従来の航空運賃と比べると、破格の片道チケットなどを打ち出してきた。このゴー!航空のキャンペーンは利用客を驚かせ、喜ばせただけではなく、ハワイ隣島間の運航を担っていた地元のハワイアン、アロハ両航空には大きな衝撃を与えている。

地元2社は、いずれもゴー!航空が次々に繰り出す破格の航空運賃で顧客離れが進むことを懸念。従来、打ち出していなかった「格安」で対抗した。ただし、これに伴い、地元航空業界トップのハワイアン航空は「年間数千万ドルの損失があった」と発表。業界2位のアロハ航空も低価格競争の煽りを受けて、「このままでは経営難は免れない」などと公表している。対するゴー!航空側は「1ドルや9ドル、19ドルの低価格チケットを販売したのは、ハワイアンとアロハ両航空が座席数を増やし、我々をハワイの市場から追い出そうとしていることに対抗したものだ」とコメントしている。

こんな激しい空中戦が繰り広げられる中、ハワイアン航空はついにゴー!航空の親会社、メサ航空を相手取り、「ハワイアン航空の極秘内部資料を入手し、自社のハワイ市場への進出を有利にするために利用した」として訴えを起こし、「1億7300万ドルの損害賠償と島間航空券の販売差し止め」を求めている。この賠償額には、値下げ競争に伴う損失とゴー!航空に追随して急遽、飛ばした特別便などの諸経費が含まれているということだ。

画像

■敗訴でゴー!航空はハワイ撤退!?
仮に、ハワイアン航空側が裁判で勝訴すれば、事実上、ゴー!航空はハワイからの撤退を余儀なくされる可能性もある。原告のハワイアン航空側は「ゴー!がハワイから撤退すれば、航空運賃の価格設定はゴー!がハワイ市場に参入する以前の常識的な価格に戻して営業を続ける」と、コメントしている。

一方、被告のメサ航空側は「ゴー!航空を立ち上げる際、引用した資料は全て公の資料で、極秘扱いの内部資料を使った覚えはない」と反論。また、ハワイアン航空が意図する訴訟の最終目的は競合相手をハワイから追い出すことで、ハワイ隣島間航空の独占を図って航空運賃を値上げし、利益を得ることだ」と、主張している。

画像

■アロハ航空潰しが狙い!?
ハワイアン航空はまた、「ゴー!航空は赤字覚悟で格安チケットを販売し、まずは業界2位のアロハ航空を2年以内に撤退に追い込み、その後、チケット価格を格安戦争前の販売価格($79~$89)よりもさらに5%ほど引き上げるという事業計画を記された書面がある」と発表。さらに、「ゴー!航空は安い隣島間チケットを提供すると宣伝しながら、それは真意ではない」と、ゴー!航空を批判している。

これに対し、メサ航空側は「その書面はハワイ隣島間航空ビジネスで想定されるシナリオを研究した1000ページに及ぶレポートの一部。証拠として、アロハ航空のビジネス継続を想定した書面も存在する」と反論。また、「ハワイの島間航空運賃について、最初の5年間は$54~$57に設定するビジネスプランを立てており、ゴー!航空の高額チケットはハワイアンやアロハ両航空の低額チケットよりも安い」と、付け加えている。

画像

■ゴー!は上昇気流、ハワイアンは低空飛行?
ゴー!航空は「今年7月の搭乗客数は過去13カ月で最高を記録」と発表。搭乗率は1年前に記録した73.9%をはるかに凌ぐ82.7%で、確かに安いだけに利用者には概ね支持されている。逆に、かつて経営破錠し、米国の会社更生法のもとで再建されたハワイアン航空は、燃料費の高騰もあり、すでに従業員90人に対し一時解雇するなどの人員整理。予約センターのシステムを4月からフィリピンに移行するなどの経費節減を図り、テクノロジーや経理部門もいずれコストが安いインドに移す予定になっている。そんな中でも、近年、搭乗客へのサービスは全米ナンバーワンとの評価を得ている。

画像

■スーパーフェリーは波高し?
鳴り物入りで今年8月末に初出航した、ハワイの隣島間を海上で結ぶ新しい交通手段の「ハワイ・スーパーフェリー」は、マウイ島やカウアイ島の環境保護団体との問で、自然環境への影響調査という難問を突きつけられ、現在、運航できない状態が続いている。スーパーフェリー側は収益がないまま、維持費や人権費を支払わなくてはならない苦境に立たされ、先日、従業員249人を一時解雇。成り行きはまだ裁判で係争中だが、莫大な予算を充てて港湾設備の改善などで支援してきたリンダ・リングル州知事がこの問題解決に向けて急遽、乗り出してきた。議会などと調整し、スーパーフェリーの救済に向け、自然環境への影響調査中でもフェリーの運航が可能となる法令の改正に動き出している。この空と海の争い、当分、目が離せそうになく、今後の行方が注目されます。

 

CONTACT US