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ラナイ島の土地98%をオラクル社CEOが購入

■世界6位の大富豪ラリー・エリソン氏■

かつて世界のパイナップル産地として生産量の75%を占めた「ラナイ島」の土地98%を、ソフトウエア大手の米オラクル社のラリー・エリソン最高経営責任者(CEO)が21日までに購入したことが分かった。ニール・アバクロンビー州知事が明らかにした。同知事は「エリソンCEOがラナイ島に長年関心を抱き続けていたことは承知していた。彼の自然、特に海洋への強い思いは有名」という声明を発表した。

ハワイで6番目という大きさのラナイ島は、面積141平方マイル(約365平方km)。これまで資産家のデービッド・マードック氏率いるドール・フード・カンパニー社が保有。同社がハワイの公共事業委員会に売却の暫定承認を求めて提出した申請書によると、2つのリゾートホテルやゴルフトーナメントを開催できる2チャンピオンコースとクラブハウス、住宅用開発地600エーカーを含む約8万8000エーカーの土地や太陽光発電所なども売却対象となっている。

申請書は、エリソン氏への売却は「島民とラナイ島に新規雇用の創出につながる新たな投資機会をもたらし、地元経済や観光業を活性化する素晴らしい機会を生み出す」としている。

ラナイ島は従来、ドール社が島の大半を所有し、パイナップルのプランテーションとして開発。島の中央にある唯一の町ラナイシティは、プランテーションで働く移民向けに造られた。近年、アジア産パイナップルの台頭などで、パイナップル産業は廃業へ。1990年に島の中央部にオープンした欧州スタイルの高級リゾート「ロッジ・アト・コエレ」、翌年の南部フロポエビーチを見下ろす丘に建設された地中海風リゾート「マネレ・ベイ・ホテル」とともに隠れ家的な滞在型のリゾートアイランドに生まれ変わっている。

米経済誌フォーブスによれば、推定364億ドル(約2兆9000億円)の純資産を持つ世界6位の大富豪エリソン氏が、ラナイ島の権利をドール社から購入。大富豪が島を購入する例は、英ヴァージン・グループを率いるリチャード・ブランソン氏が、英領バージン諸島に島を所有している。日本でも長崎県の大村湾内に浮かぶ「詩島」は、シンガーソングライターのさだ まさし氏が個人所有していることで知られる。

 

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