NASAが「空飛ぶ円盤?!」の飛行実験
■明日、ハワイで超音速パラシュートの性能実験■
「空飛ぶ円盤」のような形をした新開発の超音速パラシュートの性能を試す実験機の飛行テストを明日4日午前7時半から、米航空宇宙局(NASA)がハワイで実施する。実験は当初、2日と3日に予定されていたが、いずれも海上が荒れて不安定だったことで延期。円盤型の「低密度超音速減速機(LDSD)」を搭載した実験機を、巨大な気球で地上約36kmの高さまで飛ばす計画となっている。
直径約4.6mのLDSDは上空でロケットを噴射し、全長30mの超音速パラシュートを拡げる。徐々に減速しながら降下。地上では、円盤に取り付けた4台のカメラが映像を生中継し、海上に着水した実験機を回収する予定になっている。今回の「超音速リングセールパラシュート」は、火星で使う目的でテストした超音速パラシュートの中では最大規模となる。
LDSDは、将来の火星探査で有人宇宙船や探査機を軌道上から安全に着陸させるための減速装置。いわば、新開発の超音速パラシュートの性能を試す実験で、NASAが目指す火星への有人飛行の実現に向けた鍵を握っている。この円盤型パラシュートは火星への着陸に向けた最終段階で、大気圏に突入して減速するために使用される。
現在の技術では、1976年に無人探査機を火星に送り込んだ当時のNASA「バイキング計画」のパラシュートを踏襲している。今後、大型化する次世代の宇宙船を無事着陸させるためには、新しい技術の開発や改善が不可欠になっている。
昨年、カウアイ島にある米海軍基地で初の実験が行われたが、この時はパラシュートがうまく膨らまず、成功していなかった。
◎NASA
ウェブサイト:www.nasa.gov