ハワイの日系人強制収容所が国定史跡に指定
■ホノウリウリ日系人収容所跡地ほか■
第2次世界大戦中、4000人以上の日系米国人や戦争捕虜が強制抑留されたハワイ州の「ホノウリウリ日系人収容所跡地」を国定史跡に指定するとオバマ米大統領が19日発表した。同大統領はこの日の演説で「過去の過ちを繰り返さないよう、我々の歴史の痛ましい部分を思い起こす史跡になる」と語った。
同収容所は日米開戦を受け、1943年にハワイ州オアフ島の真珠湾近くに開設された。ハワイ州の日系人収容所では最大で、45年に閉鎖されるまで、最も長く利用。日系2世を中心に米市民など約400人や約4000人の戦争捕虜が抑留されていた、といわれている。
同大統領はシカゴ市内での演説で、ホノウリウリ収容所の指定を「私の出身地のハワイだ」と最初に紹介。同収容所を含む3カ所を、史跡に指定した。ホノウリウリ抑留キャンプは、第2次世界大戦時、ハワイで運営された全5カ所の捕虜収容所の一つ。
ホワイトハウスは指定理由を「強制収容所が日系米国人社会に与えた衝撃や、戦時における公民権のもろさを語り継ぐため」としている。
ハワイ州選出で日系人のメージー・ヒロノ上院議員は市民の強制収容は「米国とハワイの歴史における暗黒の時代」を示していると指摘。大戦中、敵国と関係しているとの疑いが持たれた一部住民だけが強制収容されたイタリア系やドイツ系の米国人とは違い、ハワイや米西海岸の日系人は無差別に収容所などに送られた。