■「イスラム国」対策で日本含む計38カ国が対象■
短期留学や観光などで90日以内、査証(ビザ)なしで米国への入国が可能な日本などビザ免除プログラムが認められている38カ国・地域からの渡航者に対し、米国土安全保障省は3日から、入国前に電子渡航認証(ESTA)やホノルル国際空港などでのセキュリティチェックを強化することを決めた。同日、実施された。
すでに日本でも発覚したが、シリアの過激派武装勢力「イスラム国」などのテロ組織に参加している外国人戦闘員の中には米国や欧州諸国の国民が含まれており、本国に戻ってテロを行う恐れがある。米国土安全保障省では、イスラム国などへ参加する恐れのある外国人戦闘員が、西側諸国のパスポートを使って、問題なく出入国ができることは安全保障上の大きな脅威として懸念が高まっていた。
今回の審査厳格化は、こうした戦闘員の入国を事前に阻止するためで、保安検査強化の対象となるのは、ビザ免除プログラムが認められている日本や韓国を含むアジア諸国や英、仏、独などの欧州諸国など計38カ国。対象国からの旅行者は、ビザなしで90日まで米国に滞在できるが、テロ対策の一環として2009年1月から導入されたESTAに登録する必要がある。
ESTA取得に際して、パスポート情報や連絡先などの質問を追加。これまでの住所や氏名などに加え、取り締まり強化のために、電話やメールアドレスなどの連絡先、勤務先の情報、両親の氏名、通称・別名、入国後の連絡先、複数の国籍を持っていればその国籍などの入力が必要になる、としている。
米国土安全保障省これまでにESTAによって、テロリストの疑いがある4,300人以上の入国を拒否。盗難パスポートでのESTA申請約2万2,500件以上を却下した、という。
◎米国土安全保障省
HP:www.dhs.gov
◎ESTA(電子渡航認証システム)オンライン申請
オフィシャルHP:esta.cbp.dhs.gov/esta/esta.html