■ハワイ州は2006年からトップ4が定位置■
1億円以上の長者世帯(100万ドル以上の投資可能資産を保有)の全体に占める比率の年次ランキングを大手市場調査会社がこのほど発表した結果、ハワイ州が2006年以来、常にトップ4入りを果たしていることが分かった。ハワイは温暖な住みやすい気候から、米国人だけでなく、日本人などの成功者が多く移り住むことで知られ、ハリウッドセレブや日本の芸能人などにも「終の棲家」として人気が高い。
昨年のランキングでは、上位陣に大きな変化はなかった。メリーランドは3年続けてトップで、100万ドル以上の投資可能資産を持つ世帯の割合は7.7%。以下、ニュージャージー、コネティカット、ハワイの順で続く。この上位4州は2006年以来、順序は変わっても、トップ4の定位置を占めている。
今回発表された米国の億万長者ランキングで、最も速いペースで14州を一気に飛び越えたのは、米国中西部の最北部にあり、カナダと国境を接するノースダコタ州だった。同州は2012年のランキングでは43位で、アラバマより1ランク下だった。昨年はフロリダより1つ上の29位。ノースダコタのエネルギーブーム、特にバッケン地域のオイルシェールのブームが同州の富を大きく膨らませたようだ。同州では、エネルギーのほか、ヘルスケア、テクノ ロジー部門が成長。勤労者と富裕層のいずれも収入が増えており、米労働省によれば、同州の昨年11月の失業率は2.6%で全米最低 だった。
大手市場調査会社は今回、米連邦準備制度理事会(FRB)と世論調査会社ニールセンのデータを基に算出。それによると、昨年の米国では億万長者の数は前年から約5万3000世帯アップした。全米でのトータル数は約615万世帯で、計算上は20世帯に1世帯の割合となる。ただし、資産には不動産価値は含まれていない。
米国で億万長者の多い州を振り返ると、昨年は多くの州で大幅な異変があり、今回は異例な結果になった、という。メーン州は11ランク上がって25位に、ルイジアナは10ランク上がって32位ダウン。一方、ネバダは20ランク下がって39位だった。アリゾナ、フロリダ、アイダホ、ミシガンの各州の下落幅は10ランクを超えた。なお、2012年は前年から3ランク以上変動した州はなかった。
関係者は、「昨年の大きな変動は、景気回復が州によってバラつきがあるものになったことを示唆している」との見解。さらに、「メーンとルイジアナはその経済が大きく好転した」が、「ネバダでは依然として景気下降の影響が見られるようだ」と、語っている。