ホノルルで建設中の鉄道車両の実物大モデル登場
■東カポレイ~アラモアナセンターを結ぶ全21駅の高架式■
総額約5300億円をかけて2017年の開業を目指して建設が進むオアフ島の鉄道「ホノルル・レール・トランジット」で使用される車両の実物大モデルがこのほど、一般に公開された。この鉄道は、東カポレイからホノルル国際空港などを経て、アラモアナセンター まで結ぶ全長約32km、全21駅の高架式。東カポレイからアロハスタジアムまでの一部先行区間が2017年、残る全区間の開業は2019年を予定されている。
車両の実物大モデルは、始発点となるカポレイの「カポレイ・ハレ」に4月末まで展示。現実の運行時には、4両編成となるが、展示は先頭車のカットモデルとなっている。車両は、世界中に自動運転車両やシステムを納入しているイタリア製。車幅は約 3m、1両の全長は約19.5mで、システムは通常の鉄車輪式。電車は無人の自動運転で、ピーク時は5分、閑散時は10分間隔での運行が計画されている。
車内では鉄道システムに関するビデオが見られるように座席が配列されるほか、無料Wi-Fiをはじめ、ハワイらしくサーフボードや車椅子、ベビーカー専用スペースのほか、スーツケースやクーラーボックスが置ける場所なども設けられる。
カポレイからホノルルへの朝晩の通勤、通学時のフリーウエーでの混雑解消はオアフ島で積年の課題だったが、関係者は「この鉄道システムが実現すると、毎朝、毎夕のうんざりする渋滞から開放される日がくるだろう」と、抱負を語っている。
ただ、全21駅の設置が予定されている地元では、カポレイ側を中心に「自宅から駅までの通勤、通学者が駅周辺に駐車できる、かなりのスペースやシャトルバスなどの問題を解消しないと、結局は自動車通勤に依存する体質は改善されないのでは・・・」と、いう付随する新たな問題の改善を望む声も上がっている。
この車両の実物大モデルは5月から、別の場所での展示が予定されている。