Sad and beautiful ocean
マウイ島を横向きの人の顔に例えると、ちょうど鼻の頭にあたる集落、
OLOWALUの寂びれたビーチが大好きで、ボクはよく撮りに行くのだが、
どうってことない白サンゴの浜辺に座っているだけで、
とても満ち足りた幸せな気分になり、
ラナイ島のなだらかな稜線の向こうに陽が沈む頃には、
何故かうるうると涙が込み上げてくるのだ。
引き波に連れられてサンゴ達が奏でる軽やかな響きを聴きながら、
絶え間なく打ち寄せる波を、潤むファインダーを通して凝視している自分。
幸せなのか、悲しいのか、
混ぜこぜの気分を飲み込んでシャッターを押し続ける自分・・・。
コンドに帰り、夜、家族が眠ってから
その日撮った写真をパソコンに移し現像作業をしていると、
浜辺に佇んでいたときに見ていたものや感じていたことが
静かにフラッシュバックしてくるのだ。
OLOWALUで撮った写真はどれも皆、
息を呑むほど悲しく美しい。