■2075年~99年にかけて■
ハワイに接近するハリケーンは今世紀後半には、近年の2~3倍に増えるだろう、という、あまり嬉しくない予測結果を、気象研究所(茨城県つくば市)と筑波大などのチームがこのほど英科学誌に掲載した。メキシコ西方沖で発生したハリケーンを、強まった東風の貿易風がハワイへ吹き流すこと、が原因とみられている。
同チームは、横浜市にあるスーパーコンピューター「地球シミュレータ」を使って予測。複数の気候モデルを使い、海面温度の上がり方のパターンを変えて複数回計算した。その結果、2075年から99年にかけてハワイ周辺に接近するハリケーンの頻度は、1979年から2003年の2~3倍と推計された。
関係者は「地球温暖化による海面の温度上昇で、ハリケーンが弱まりにくくなると考えられる」と、語っている。