■無人探査車キュリオシティーの分析■
火星の地表を覆っている土が、実はハワイの火山に由来する玄武岩質の土とよく似ていることが、米航空宇宙局(NASA)が無人探査車「キュリオシティー」で採取した分析結果からこのほど明らかになった。分析したのは、ロックネストと名付けられた岩場で採取されたもの。搭載されたエックス線分析装置などで鉱物組成や結晶構造を調べた結果、長石や輝石、かんらん石などを含む玄武岩の特徴が確認できた、という。
火星では砂嵐が発生するため、火山活動でできた岩石が風などにさらされて細かい粒になったとみられている。キュリオシティーは太古に存在した可能性がある川が流れた跡を発見。NASAの関係者は、着陸したクレーター周辺には水が存在した時期から乾燥した時期に移り変わった証拠が残されている、としている。川が流れた跡とみられる、粘土や砂などがくっついた礫岩(れきがん)ができたのが数十億年前。今回採取された土は、もっと新しい時代に乾燥した環境でつくられたと分析されている。