海外留学へ急激な円高が追い風
■米国への留学生数で日本は7位後退■
なかなか「円高ドル安」の勢いが止まらない。政府の打つ手も後手後手で、またジワジワと77円台を切る様相を呈している。ハワイロードでも最近、留学の問い合わせがアップ。日米両政府が出資する教育交流機関「日米教育委員会」によれば、米国の公立四年制大学の年間留学費用は約3万ドルだが、2005年当時の1ドル120円超に比べると、70円台の現時点で日本円で換算すれば約120万円も安いからだ。
米国際教育研究所がこのほど発表した「米国の大学・大学院で2010~11年度に学ぶ留学生の国・地域別ランキング」によると、昨年6位だった日本は7位に後退した。トップは2年連続で中国の15万7558人(前年度比23.5%アップ)。2位がITなどを学ぶ留学生が多いインドの10万3895人。韓国が3位で英語教育を重視する姿勢が垣間見え7万3351人だった。
続いて、4位はカナダ、5位は台湾。国が奨学金を与えるサウジアラビアが43・6%アップの2万2704人で6位入りした。
昨年の6位から7位へ一歩後退した日本は14・3%減の2万1290。1997~98年度にかけて4万7000人以上の留学生を米国に送り込んだ日本だが、05~06年度に4万人を割り込み。その後も減少が続いていたが、「円高ドル安」の追い風で徐々に増えそうな気配を見せている。
ハワイの各大学やコミュニティーカレッジ、語学学校などでは、「円高の今こそ、日本人留学生が増えるきっかけになれば」と期待する。また、「留学費用の負担が軽くなれば、親の支援を受けやすいし、学生の留学志向も後押しするのでは」とみる。最近では、学生がキャリアアップを目指して、短期インターンシップを希望するケースも増えている。国内では、輸出業を中心に深刻な影響がみられるが、その反面、ハワイなど海外旅行が回復傾向にあり、ワイキキ周辺のコンドミニアムなどを購入する動きも高まるなど、円高の恩恵も見えてきている。果たして、いつまで続くのか「円高ドル安」・・・