ハワイアン航空が関空便の利用率80%超目指す
■羽田便の「予想以上に好評価」で自信■
7月12日から関空-ホノルル直行便を就航させる「ハワイアン航空」は、好調な羽田便の追い風を受けて、80%以上の座席利用率を目指すことをこのほど明らかにした。マーク・ダンカリー社長兼CEOは、「関空便で良いスタートを切り、今後は他の空港も検討したい」と、アジアを視野に入れたビジネス戦略を語っている。
昨年11月に念願の羽田-ホノルル便を開設した同社は、東日本大震災による影響で一時は利用率が20~30%落ち込んだ。ただ、その中でも座席利用率は80%で、予想以上の好評価だった。関空便については、大阪が西日本の要となる都市でハワイ旅行への需要も高いことや、中部圏を含めた西日本からの利便性が高まることなどを就航の理由としている。
関空便の機材はB767-300ER型でビジネスクラス18席、エコノミークラス246席の計264席。今後は順次、A330-200型(294席)を導入する予定で、機材のやりくりがつけば可能な限り早い段階で実現にこぎつけたいとしている。
同社では日本的な「気配り」や「おもてなし」を社内に徹底させるため、全従業員の約3割にあたる1200人を、本社が日本のワイキキにある高級ホテル「ハレクラ二」でトレーニング。機内食をはじめ、機内誌、乗務員にまで日本流のサービスを徹底している。ホノルル到着2時間前には、45分間にわたるハワイ紹介ビデオを流すなど日本人観光客を意識したサービスも心掛けている。
厳しい経営環境が続く航空界で、同社は2005年から12四半期連続で黒字を達成。2010年度の座席有効マイル成長率も05年度比で34%アップした。関空便の就航により、羽田と今年1月に開設した韓国・仁川に次ぐアジアで3番目の拠点となる。