貧困層は12.5%で15万6000人
過ごしやすい穏やかな気候、美しい自然などから太平洋の楽園といわれる「ハワイ」だが、事業などで成功した人たちが好んでリタイヤ後に移り住む憧れの地だけに、ハワイ州は全米で最も億万長者が多い州であることが17日までに明らかになっている。
最新の調査で、ハワイ州の人口(約128万人)に対する億万長者が占める割合はハワイ在住者の7%で全米最多。個人資産額は100万ドル以上を所有し、この中には不動産などは含まれないというから、高級住宅地カハラなどの豪邸を見ると、億万長者と言っても実際にはさらにケタ外れであることが伺える。
今年第2四半期におけるハワイ州の個人所得の伸び率はわずか0.8%で、全米で44番目だった。経済指標では多少改善の兆候が見られるが、連邦経済分析局の報告書によると、今年4月から6月の給与所得、利息収入、配当収入、政治給付金などの個人所得の伸びは、第1四半期に比べてわずかに0.8%の伸び率に留まっている。
連邦国勢調査局のまとめでは、昨年ハワイ州で新たに「貧困層」に分類された人の数は、全人口の12.5%で約15万6千人に上り、景気の低迷などもあり、過去3年連続してアップ。ハワイを訪れる日本人観光客数が220万人でピークだった1997年以来、最悪の数字となっていることも分かった。これを受けて、多くの支援組織が生活困窮者に対する社会的セーフティーネットの拡充を強調している。
世界有数の観光地で憧れの楽園と呼ばれるハワイだが、現実には富裕層はハワイ州外や日本など米国外から移り住んだ成功者が中心であると見込まれている。逆に、観光業を軸に一般的にはハワイの労働者は低賃金の反面、全米一と揶揄(やゆ)されるほど物価や家賃などが高いハワイでは、われわれ市井の庶民が暮らすには厳しい土地柄であることが浮き彫りになっている。
それでも、日本人のみなさんはハワイに住みたいですか?