日本航空が今日午後に会社更生法申請
路線整理や人員削減などのリストラで3年以内に再建へ
オアフ島ホノルルだけでなく、ハワイ島西側の玄関口「コナ国際空港」にも成田空港から直行便を飛ばす日本航空はきょう19日午後、東京地裁に会社更生法の適用を申請する。同法は倒産法の一つで、経営困難ではあるが再建の見込みのある株式会社について、事業の維持・更生を目的として制定。負債総額は2兆円を超えるとみられ、事業会社として過去最大となる見通しだが、官民が出資する企業再生支援機構がサポートを決定。約3000億円を出資し、スポンサーとして約3年後まで支援する。また、政府は同日、日本航空の安定運航を支援する声明を発表する予定。
今後は、路線整理や人員削減などのリストラも進め、裁判所の管理下で同機構が主導し、2013年までに再建を完了させる考えだが、コナへの直行便は是非、残してもらいたい。コナ国際空港は以前、地名に由来して、ケアホレ空港と呼ばれていた。が、1996年に日本航空が成田空港からの直行便を就航させたのを契機に、現在の名称に変わった。国際空港とはいえ、空港施設はポリネシア風の平屋建築。航空機への乗降も滑走路を歩くなど、素朴な感じをいまだ色濃く残しており、リゾート感あふれるハワイらしい空港の一つだ。
なお、今回の会社更生法適用で、日本航空のマイレージなどを利用してきた一般利用者は、マイレージや早期予約割引チケットなど、個人向けのサービスの行方が気になるところだが、今のところ従来通りに続けられる見込み。ただ、株主の場合は、100%減資で上場廃止されると、株の価値は「0」になるので、その場合には株主優待制度は無くなると思われる。ただ、発行済みの株主優待は正常に運航されている限り有効だという。
いずれにしろ、日本の翼、戦後日本の発展と躍進の一端を担ってきた日本航空は大きな転機を迎える。経営再建の足かせとなったのは、親方日の丸的な危機感の欠如、増資を繰り返し、国の支援まで受けて明確な再生プランを打ち出せなかった経営陣にある。また、超高給を取りながら、一般的な世間の常識からズレたような感覚で、8つが対立する組合にもあるといわれている。果たして、再建はなるのだろうか? 新たな代表取締役会長に内定した稲盛和夫・京セラ名誉会長らの手腕に期待せざるを得ない。
こういう背景の中、大手リサーチセンターが実施した「エアライン満足度調査2009」で、総合1位はシンガポール航空だった。2位はヴァージン・アトランティック航空で、昨年と1位、2位は同じ順位。3位には昨年7位のエバー航空で、やっと日系で4位に全日空が入り、昨年と同順位。日本航空は昨年の13位から6位、JALウェイズも21位から8位にアップしている。日系では全日空が客室乗務員の接客サービス、空港内の職員の接客サービスに対する満足度で2位。日本航空も客室乗務員の接客サービスが昨年の11位から3位と躍進しているので、こうして最前線で頑張っている社員にも支えられている。
ただ、日本航空、全日空とも国際線のエコノミークラスで閲覧できる新聞サービスを今年廃止した。新聞サービスが継続されるのは国内線ではファーストクラス、国際線ではビジネスクラス以上に限られる。全日空では新聞サービス終了に伴い、「1年で3億6000万円のコスト削減」というが、もっと他にやるべきことがあるのでは? 会社が潰れるような状況でも、社員や家族の無料航空券は今でも存続しているそうだ。利用者へのサービスを優先すべきではないのか? そういえば、私の古巣の新聞社でも、自宅に配達される新聞代はきちんと支払っていた。会社にはインクのにおいがする刷られたばかりで、まさにできたてのホヤホヤの「新聞」が山のようにあったのだが・・・
[…] 会社再建中の日本航空は6日までに、「成田発-ハワイ島(コナ)便」など国際線29路線と国内線31路線から撤退する見込みであるが明らかになった。今年1月に発表された再建計画では、 […]