過去25年間で最悪 苦闘する美術・博物館
ハワイ州立美術館で「ザ・インスピレーション・オブ・フラ」
「ハワイに生きる人々の歩みを形にしたい」という長年の住民の願いが叶い、2002年11月3日にダウンタウンの一画にオープンした「ハワイ州立美術館」で2010年7月17日まで、フラの文化を讃える「ホオウル:ザ・インスピレーション・オブ・フラ (Hoʻoulu:The Inspiration of Hula)」のテーマのもと、歴史あるフラの世界を伝えています。フラで使用される楽器のほか、絵画、写真、彫刻、ビデオなど、貴重なコレクションが展示されています。入場無料。
ハワイの芸術家たちによる作品数では最大コレクションを誇るこの美術館。力作の数々がハワイならではのユニークなフラ文化を浮き彫りにしています。ハワイでは建物を造る際に、「建設費の1%を環境美化のために彫刻や絵などの芸術に費やさなければならない」とする州法が1967年に全米で初めて施行。以来、約1400人の芸術家から約5000点の芸術品を収集し、同州立美術館では、この中から厳選した360点を、1115㎡のギャラリーを「ハワイの遺産」、「アジア移民のルーツ」、「芸術家の社会的意識」、「伝統と価値観」、「大地や海に触発された芸術家」と6つのテーマに分け、ハワイの多彩な芸術的、文化的遺産を見せています。
一方で、経済不況が続くことに伴い、ハワイの美術・博物館で財政的な危機が深まっています。大改装を経て今年8月にハワイアンホール再オープンしたビショップ博物館では、今年5月にホノルル港の7番埠頭にあるハワイ・マリタイムセンターを閉館。カリヒの博物館も毎週火曜日に閉館しました。さらに人員削減などで、何とか凌いでいる状況。ホノルル美術館(ホノルル・アカデミー・オブ・アーツ)で21年間館長を務め、2003年に引退したジョージ・エリス元館長によれば、「今回の状況は過去25年間で最悪」と指摘している。州内の美術館や博物館はこれまでにも、景気後退などによる苦境を乗り越えてきたが、今後の見通しは暗く、「このままでは、ハワイから文化の薫りがなくなってしまうのでは・・・」と危惧する声も出ている。
◎ホオウル:ザ・インスピレーション・オブ・フラ
会場:ホノルル州立美術館(Hawaiʻi State Art Museum)
住所:
250 South Hotel St., 2F Honolulu, HI 96813 (No1 Capitol District Building内)
展示期間:2010年7月17日まで
開館日時: 10:00〜16:00 (火〜木)
休館日:日曜、月曜、祝祭日)
電話:(808) 586-0900
入場:無料
駐車場:美術館周辺の路上メーター・パーキングを利用
アクセス:ワイキキからザ・バス2番、アラモアナ・センターから西、またはエヴァ廻りのほとんどがハワイ州立美術館付近に停車
HP:hawaii.gov/sfca