ハワイ島「すばる望遠鏡」に世界最高感度のカメラ搭載
CCD感度が従来の2倍に向上
ハワイ島のマウナケア山頂にある日本の国立天文台ハワイ観測所「すばる望遠鏡」(口径8.2m、標高4200m)に、世界最高感度の国産CCD(電荷結合素子)カメラがこのほど搭載されました。赤外線をとらえる感度が、世界最高感度となる従来の2倍に向上。宇宙の初期にできた銀河や天体の発見など、より遠くの暗い天体を効率よく見つけるのに貢献し、観測天文学の最先端分野で活躍すると期待されています。
この新型カメラは国立天文台ハワイ観測所と同先端技術センター、浜松ホトニクス、京大、阪大が共同開発。CCDはデジタルカメラなどに使われる検出装置で、天体から発された弱い光を電気信号に変えるもの。従来のCCDは赤外線など長い波長の光をとらえることが困難でしたが、素子の厚みを5倍の0.2mmにすることで長波長領域への高感度センサーを開発。ガス状の星雲の中で生まれて間もない若い星も撮影可能となりました。試験観測の画像では、従来は写らなかった暗い星をとらえることに成功しています。