ハワイのタイムシェア利用率がアップ
ホテルの客室稼働率を上回る勢い
今年のハワイはタイムシェア施設の客室稼働率がホテルを上回る勢いであることが1日までに、米国リゾート開発協会ハワイ支部の調べで明らかになりました。それによると、第2四半期(2008年4月~6月)の統計では、特にマウイ島にあるホテルの稼働率は66.9%だったのに対し、タイムシェア稼働率は84.7%をマーク。こうした状況に、「燃油サーチャージ代の高騰や景気の低迷などにより、ハワイの観光業に陰りが見えているが、タイムシェア需要は安定。ハワイ経済の活性化や雇用機会の創出に大きく貢献している」と関係者は分析しています。
この「タイムシェア」という言葉は近年、日本でも徐々に定着してきているようですが、簡単にいえば、1年を52週に分け、高級リゾートコンドミニアムの1室を、自分の部屋として1週間単位で所有できるシステム。年間管理費を支払うだけで、オーナーとして物件のユニットを毎年1週間利用できるため、毎年ハワイを訪れているファミリー層などに好評で、ほぼ自動車1台分の価格で憧れのハワイに別荘を持ちたいという夢を叶えてくれる、とハワイフリークに人気を集めています。一般論ですが、約10年利用すればペイし、原則として相続や売買も可能ということで、不動産投資的な意味合いもあることで、評判が高まっているようです。
マウイ島の場合は、タイムシェアとホテルの稼働率の差は約18ポイントでしたが、他の島では、この差はさらに拡大。たとえば、ビッグアイランド(ハワイ島)の場合は、第2四半期の稼働率の差は28.5ポイントで、タイムシェア稼働率が86.6%だったのに対し、ホテルは58.1%にとどまっています。第3四半期(2008年7月~9月)について、同ハワイ支部がすでに予約が確定した利用客分を集計した結果、マウイ島のタイムシェアの稼働率はさらに93.9%(推定)とアップしています。
ヒルトン・グランド・バケーション・クラブに代表されるハワイのタイムシェア市場は活況を呈しており、今年度、ハワイで新しくオープンするタイムシェア施設や既存物件の改装には計3億1400万ドル(約330億円)が投じられる見込み。現在、ハワイにあるタイムシェア物件数は計7690ユニットで、ハワイの供給客室数全体の約10%を占めています。これに加えて、5300ユニットの新しいタイムシェア施設の開発も予定されています。