フォーシーズンズでは富裕層の需要が好調
逆風の中、海外旅行市場停滞の影響見られず
高額な航空機の燃油サーチャージ代や航空座席の減少などで、逆風に見舞われているハワイの観光市場ですが、マウイ島ワイレアとハワイ島コナに各1軒、ラナイ島に2軒を運営している「フォーシーズンズ・ホテル・アンド・リゾート」では、市場動向として富裕層の取り扱いが好調であることが13日までに明らかになりました。海外旅行が停滞気味の日本市場においても、同様の傾向ということです。実際に、オアフ島のハレクラニやザ・カハラ ホテル&リゾートなどの高級ホテルに滞在する日本人観光客は順調との傾向(大手旅行社の話)もあり、これを裏付けているようです。
世界のリゾーターに賛美されるナンバーワングランドホテル「フォーシーズンズ・リゾート・フアラライ・アット・ヒストリック・カウプレフ」(ハワイ島)と、マウイ島ワイレアにある白壁に薄いグリーンの屋根が特徴の7階建て高級ホテル「フォーシーズンズ・マウイ・アット・ワイレア」では、日本人観光客を含む海外からハワイを訪れる旅行者の中で、「好調なのは富裕層と日本ではバックパッカーと同義で使われていますが、実際にはお金を無駄遣いしない賢い旅行者を意味するバジェットトラベラー。中間層の動きは鈍い」と両ホテルの関係者は口を揃えています。そこで、両ホテルでは富裕層が好むゆとりある滞在型旅行を推進するため、3泊すると4泊目を無料で提供するプランの販売を進めています。
また、ラナイ島の南側にあるマネレベイに面して建つ豪華なリゾートホテル「フォーシーズンズ・リゾート・ラナイ・アット・マネレ・ベイ」では、「特に、ハワイの地域文化を学ぼうという意向が宿泊客に強く、そうしたニーズに応える体験プログラムやアクティビティーを増やしている」(同ホテル関係者)ということです。
富裕層の動きは方面を問わず活発化しているようで、大手旅行社では「上級顧客向け店舗からの送客が堅調」と話しているように、富裕層にとっては高額な燃油サーチャージ代はあまり問題にはなっていないことが伺えます。確かに、格安のパッケージツアー客には一人往復約4万円という燃油サーチャージ代の支出は大きいでしょうが、それを上回る上質のサービス、目的意識にあった滞在や訪問、ハワイに求められている癒しやカルチャーとの触れ合いなどがあれば、やはりハワイは理想のリゾートの一つであることは間違いないようです。素晴らしい自然や世界有数の過ごしやすい気候に恵まれるハワイだけに、低迷する観光市場にとって、往時のままのサービスを繰り返すだけのリゾート地から脱却する解決の糸口がここに潜んでいるように思えます。