国土交通省は暫定的な「付加運賃」の高額設定に違和感
原油価格の高騰を受けて全日空と日本航空が申請している今年7月から9月発券分の「燃油サーチャージ額の大幅アップ」に関して29日までに、監督官庁の国土交通省は認可する考えであることを明らかにしました。全日空、日本航空の両社とも改定条件を開示しており、直近の3カ月平均が1バレル当たり126ドルと、条件に準拠した改定内容であることが認可する理由となっています。
本来、燃油サーチャージは暫定的な「付加運賃」という位置づけなのに、7月からハワイ便のように往復4万円という、違和感のあるレベルにまで跳ね上がっている」現行の設定額については、本体価格との差も少なくなり、国土交通省もすでに問題視しています。ただ、同省では、「なるべく本体に入れ込むべきだが、仮に本体運賃よりサーチャージ額が高いという事態が起きても、どちらも運賃で適正な収受法、設定であれば、制度上許されないものではない」と苦しい弁明をしています。
なお、今後も予想される燃油価格のさらなるアップに伴い、10月以降の改定条件となる原油市況価格の3カ月平均が、全日空、日本航空両社の改定条件の枠を超えるだろうと見られています。つまり、燃油サーチャージを設定した当時、ここまでの上昇を想定していなかったためで、同省では、「新しい基準表を作ることも考えられるが、既存の表に先を付け加えるのが現実的」と、基準値の見直しには消極的な考えのようです。