シェラトン・ワイキキ前にギャリーズビーチを復元!?
波の状態を変える可能性から反対論も
ワイキキのオーシャンフロントに建つ大型リゾートホテル「シェラトン・ワイキキ」沿いにはビーチがないことから、かつて波の浸食で無くなってしまった「ギャリーズビーチ」と呼ばれた砂浜を復元する計画が持ち上がっています。「T字型のビーチエリアとし、公私両エリアに分け、私的なエリアはホテル宿泊者専用としたい」と同ホテルの関係者。一方、地元サーファーらは「波の状態を変えてしまう可能性が高い」と懸念していますが、同ホテルでは「砂浜の拡張でこのエリアのサーフスポット、ポピュラーズの波に影響を与えるものではない」とコメント。果たして、このビーチと波の問題は?
現在、シェラトン・ワイキキの海側には、防波堤があるだけ。ハワイといえば、ビーチや海が連想されるだけに、同ホテルとしてもビーチを復元して、新たな呼び物にしたいところ。ハワイ州土地自然資源局では「この拡張工事のメリットは、約23mにわたって地元の人たちや観光客らが利用できる砂浜が造れること」と語っています。このビーチ拡張計画はまだ承認を受けた訳ではありませんが、州では「早速、砂の補填や海岸の埋め立てによる環境への影響を調査したい」と、好意的に受け止めているようです。この復元工事にはホノルル市議会のほか、州議会、連邦政府代議員の半数以上の承認が必要だそうです。
ワイキキビーチでは、これまでにも何度か侵食された砂浜の復元工事が実施された例はあります。ただ、今回のようなT字型のビーチエリアだとすると影響があるのかないのか。おそらく、ワイキキ沖の波は、こういうビーチの地形や海底、風などの極めて絶妙なバランスのもとに成り立っているように思われます。今回の拡張工事で均衡が崩れないとも限りません。ワイキキのビーチと波の間には、自然が織り成す意外に複雑で微妙な摂理が働いているようです。
ところで、米東海岸ではハイテクを駆使した「未来型ビーチ」構想が浮上。ニュージャージー州南部のオーシャンシティーのビーチでは、入場料(1日5ドル)や食事の際に、手首に巻き付けたリストバンドで清算し、ファミリーには迷子を携帯メールで知らせるサービスを整備中です。無線LANによるインターネット接続と無線識別タグを組み合わせたシステムで、総額300万ドルをかけて来夏には完了する見込み。
新システムでは、現行の入場バッジに代わり、リストバンドを発行。搭載された通信機能でクレジットカードでの決済も可能。ビーチにいた子供が、親が目を離した隙に通りへ出てしまいそうな時は親の携帯電話にメッセージを送信する機能まであるそうです。この手のビーチでの無線インターネット接続はカリフォルニアやフロリダを中心に、全米約20カ所で導入済みですが、オーシャンシティーの構想ほど高度なプロジェクトは珍しいそうです。