新禁煙法について「明確に伝えるべきだった」と対応を陳謝
訪日中のリンダ・リングル・ハワイ州知事は18日までに、日本の旅行業界関係者などとの懇談会で、「ハワイ旅行に関する日本人観光客の市場動向」について意見交換を行い、現在、日本人観光客への足かせの一つとなっている「新禁煙法(Healthy Air & Workplaces Law)」と「空港のリノベーション」について説明。特に、禁煙法については、ハワイや日本での報道などを受けて「もっと明確に伝えるべきだった」と、知事自身が対応について陳謝しました。
リングル州知事は、現在ハワイで進めている観光施策のうち、質を重視した各種の政策に取り組んでいると語り、「クオリティ・オブ・ライフ」が重要であることを強調。禁煙法については、世界的に禁煙化という流れにある中、受動(間接)喫煙を防ぐ狙いがあることを説明しました。今回、「全面禁煙」などと一部のメディアが間違って伝えたことによる波紋については、知事自身が過去にマウイ島のメディアに在籍していた経験から、「メディアは面白い部分だけを早く伝えようとするもの」と分析。その上で、ハワイでの喫煙状況などについて「これからは私自身がきちんと話しをしていきたい」と、ハワイや日本の報道などに対し「早急に対応すべきだった」と陳謝。これらの施策を着実に実行することで、今後への期待感を示しました。
参加したある旅行社から「ハワイは日本人を歓迎していないのでは?」という辛らつな質問に対し、ハワイ・ツーリズム・オーソリティー(HTA)の担当者らは「他のアジアのリゾートとの競争を意識しながらも、安全性やアトラクションの豊富さなどをアピールしていくので、是非、協力を!」と呼びかける場面もあったそうです。この件に関し、ユナイテッド航空で太平洋地区副社長を務めるマーク・シュワブ氏が「米国への訪問者数の全体が伸び悩んでおり、米国が旅行先としてフレンドリーでないというイメージがハワイにも影響しているのでは?」と問題提議。今後は連邦政府の協力が不可欠だとして、旅行業界と共に働きかけるよう協力を求めました。
リングル州知事はまた、クオリティを高めるという側面から、現在、ハワイで進めている観光施策のうち、空港のリノベーションについて話し、ホノルル空港に到着して入国審査場への移動途中に利用するウィキウィキバスが無くなることについて言及し、「これまでにも何度も言ってきたことで、改善すべき点だ」と語り、最も重要性の高い事業として進めることを示唆。これにより、睡眠不足のまま疲れた日本人観光客がホノルル空港へ着いた際、「イミグレーションまでスムーズに移動ができる、歓迎する体制を整えたい」と語りました。
なお、新禁煙法に関し、上記のような流れを受けて、ハワイ州観光局(HTJ)はホームページ上に「Smoking with Aloha(スモーキング・ウィズ・アロハ)」のコーナーを開設、ハワイの喫煙ルールなどを紹介しています。「アロハ」には挨拶だけでなく、同時に「思いやり」や「調和」という意味も込められています。美しいハワイでは周囲に配慮して喫煙者と非喫煙者が共存できるよう、喫煙エリアと禁煙エリアの案内、Q&Aなどを明示。今後、リーフレット付きオリジナル携帯灰皿を作成し、旅行会社などを通じて観光客へ配布する予定になっています。