2007年はプレミアムエコノミーを導入
国際線のサービス強化策を検討していた日本航空は、2007年度に通常のエコノミークラスよりゆったりできる「JALプレミアムエコノミー」を新たに導入し、08年度にはファースト、エグゼクティブ、エコノミーの全クラスに新シートを導入することや機内食などのサービスも向上させることをこのほど決めました。
国際線のシートにプレミアムエコノミーを導入することは、国内線で採用している「クラスJ」が好評なことや「通常のエコノミークラスよりもう少しゆったりしたい」という搭乗客の要望、他社の動向などを考慮して決めたそうです。新座席は現在好評となっているエグゼクティブクラスの「JALシェルフラットシート」で採用している前方座席の背もたれが倒れてこない構造で開発を進める予定。従来より、かなりゆったりと座れるようになるそうなので、楽しみですね。この新シートの導入は欧米路線が中心のボーイング777型機を予定し、約40席分を想定。2007年秋からの予約受付を目指しています。
新シートの特徴は、「ゆったりとした快適性」を意識したもので、座席配列は現在の「3-3-3」から、「2-4-2」へ変更。シートピッチは約97cmで現在より約20%拡大し、リクライニング時に前方に座席がスライドする方式。シートにはフットレストやパソコンの利用を前提とした全席への大型テーブルやAC電源を備えているほか、プライベートな空間を演出するセンターコンソールを設置し、快適性も高めるものとなりそう。機内用の専用スリッパなども検討中だそうです。
2008年度に更新される国際線全クラスの座席のうち、一部国際線のファーストクラスのイメージは=下記写真=の通り。ファーストクラスではシェル型のフルフラットシートを検討している模様です。国際線のプレミアムエコノミーによる増収効果は年間約40億円との皮算用で、JAL関係者によると「4年くらいで投資額を回収できる」と見込まれています。
新シート導入に関し、JAL関係者は「燃油費が増加する環境下に於いて、単価を上げていくことを考える必要がある」とコメント。新機材での燃費効率と質の向上で増収を図る方向性を打ち出しています。経営難が取り沙汰されるJALですが、こうした方向性について「今年度は本業で利益を出せるように抜本的に見直すための最重要施策」と語り、国際線の座席やサービスの一新で、浮上したい考えのようですが、果たして上昇気流にうまく乗れるでしょうか?