観光客も対象で、反則金は$70~$95
「ジェイウォーク(jaywalk)」という言葉を聞いたことがありますか? 1991年に発売された「何も言えなくて…夏」が代表曲の日本のミュージシャンではありません。「交通規則や信号を無視して渡る」ことを意味する英語なのですが、実は最近、このジェイウォークがちょっとした波紋を歩行者や観光客に投げかけています。
というのも、制服を着用していない多くの私服警察官がワイキキやアラモアナ周辺などに配備され、時々、反則切符を切られている姿を目にするようになったからです。もし、歩行者が赤信号を守らなかったり、横断歩道以外の場所を横断すると、アウト! 反則金は初回の$70から再犯の$95までというから、わずか1回だけの違反でも、今晩予定していたディナーが一気にすっ飛んでしまいますね。
オアフ島では道路を横断中の歩行者の死亡事故が多発していることに憂慮したホノルル警察はこのほど、歩行者の安全対策の一環として、私服警察官による取締を開始。歩行者の安全を確保するためには、ドライバーはもちろんのこと、取締対象は歩行者にも及ぶという発想だそうです。
取締りをよく目にするのは、ワイキキのほか、アラモアナ・センターの北側にあるウォルマート、ドン・キホーテ(旧ダイエー)周辺の路上。先日は、観光客らしい様子の米国人がハワイ・コンベンション・センター近くのカピオラニ通りを、横断歩道を利用せず渡ったところを御用! 取締り中の私服警察官から反則切符を切られていました。
一部で、「観光客ばかり狙っているのでは?」というホノルル警察や私服警察官に対する疑問の声もありますが、同警察では「すべての違反者が取締りの対象。反則切符を切られた人数は観光客よりローカルのほうが圧倒的に多い」とコメント。正式な法令違反ですから、ハワイを訪れた日本人観光客も例外ではないので、どうぞお気をつけください。
ホノルル警察や行政側を擁護する訳ではありませんが、ハワイ州とホノルル市は歩行者の安全確保のために、オアフ島内2ヵ所に試験プロジェクトを導入しています。ベレタニア通りのペンサコーラ-ピイコイ間に歩行者横断中の警告信号を設置し、キング通りのカリヒ・パラマ郵便局近くにイルミネーション式横断歩道を設置。同市では今後5年間で525ヵ所の交差点にウォルマート周辺にあるような信号が変わる残り時間をカウントダウンで表示する歩行者専用信号を設置する計画になっています。
交通専門家の調査では、歩行者にとっても最も危険な場所としてホノルル中心街と市街地が挙げられています。ハワイ州運輸局が発表した2002年から04年にかけて発生した交通事故調査報告書によると、ホノルル中心街で州庁舎に近いアラケア通りとベレタニア通り角で最多の42件の事故が発生し、キング通りとプナホウ通りの交差点が30件でワースト2。ハワイ州内で大半の人たちが暮らすオアフ島内では、特に市街地が危険個所という事実が浮き彫りになっています。
楽しいハワイ旅行中に反則切符を切られたら、折角のバケーションが台無しになるので、きちんとルールは守り、くれぐれも交通安全にはお気をつけください。