スマトラ虎の子供「Keahi」は当面ハワイに残留
■仙台のチビッ子たちはKeahiと会える日を待ち望む
仙台のチビッ子たちが楽しみに待っているホノルル動物園で生まれたスマトラタイガーの子供「Keahi」は、残念ながらしばらくハワイに留まることになった。Keahiは兄弟3頭とともに、2008年9月に誕生。スクスクと順調に育ち、本来なら先週には仙台市の八木山動物公園でデビューするはずだった。
八木山動物公園では昨年12月、飼育していたスマトラタイガーのメス「リップ」が平均寿命15歳のところ、18歳で天寿を全うした。8年間にわたって多くの来園者に可愛がられたリップがいなくなったことで、仙台のチビッ子たちは悲しみに沈んだ。そこへ、ホノルル動物園からの受け入れ要請があり、Keahiの到着を今か今かと楽しみにしていた。が、今月11日の東日本大震災と津波がチビッ子の夢を破るかのように仙台市を襲った。
幸い、八木山動物公園では大きな被害は免れたが、楽しみにしていた多くのチビッ子たちが住む地域はまだ完全復旧には至っていない。現在、休園中の同動物公園では、已む無く、今回のKeahi受け入れを当面先延ばしすることに決めた。
日本との縁も深いハワイでは、被災地に手を差し伸べようと、様々な救援や義援金活動が続く。そんな中、八木山動物公園から「スマトラタイガーの子供を受け入れることができる状態になるまで、引き続き、ホノルル動物園で面倒を見てほしい」という要請があった。その時が訪れるまで、Keahiは今まで通りに兄弟とホノルル動物園で仲良く暮らすことになった。
スマトラタイガーの生息数は野生が約500頭、動物園などで 飼育中が約200頭と絶滅の危機に瀕している。特別保護動物だけに、八木山動物公園では、1日も早くKeahiを受け入れたいと考えている。それには、仙台市と周辺地域の復興が不可欠。仙台のチビッ子たちは、Keahiと会える日をずっと待ち望んでいる。