ハワイロード

「Kamikaze Exhibit(神風特別展)」を1年延長

Photo courtesy (USS Missouri Memorial Association)

■真珠湾の戦艦ミズーリ記念館■

 旧日本軍の奇襲攻撃で太平洋戦争の火蓋が切られたホノルルの真珠湾(パールハーバー)に係留される戦艦ミズーリ記念館で開催中の「Kamikaze Exhibit(神風特別展)」が、1年延長して展示されることになった。今年4月から始まった同展は、11月までの予定だった。当初、「特攻を美化するのか」との反発も一部にあったが、展示を好意的に受け止める声が相次ぎ、延長することが決まった。

 この神風特別展が行われている戦艦ミズーリ記念館は、終戦の1975年9月2日、東京湾で日本が降伏文書に調印したことで知られている。戦争末期、鹿児島県沖でゼロ戦の特攻を受けた貴重な瞬間の写真が残っていることでも有名。同県南九州市にある特攻に関する資料を展示する知覧特攻平和会館も、約100点に上る遺影や遺書、遺物などを貸し出している。

 ある展示ケースには、色褪せた日本語4枚の便箋。そこには、綴られた恋人への思いが溢れ、英訳文も添えられている。「智恵子、会いたい、話したい、無性に-」。体当たり攻撃で戦死した特攻隊員の死後4日後に、婚約者に届いた、という恋文。そのほかにも、当時、特攻隊員として戦地に散った多くの日本の若者たちの母親や家族、子供たちへの気持ちを象徴するものがある。

 また、真珠湾攻撃で犠牲となった戦艦アリゾナ乗組員らの追悼施設「アリゾナ記念館」ビジターセンターには、2歳で被爆し、白血病のためにわずか12歳で亡くなった広島市にある「原爆の子の像」のモデル、佐々木禎子さんのパネル展示もある。これは、彼女が病床で折り続けた約1cmの折り鶴と一緒に、2013年から常設されている。そのほか、米国に忠誠を示すために組織された日系人部隊についての展示もある。

◎USS Missouri Memorial Association

住所:63 Cowpens Street Honolulu, HI 96818
電話:(808) 455-1600
HP: ussmissouri.jp