■成功の秘密はゲーム感覚?!■
ハワイ州政府のウェブサイト(hawaii.gov)がこのほど、全米政府系ウェブ協会やウェブマーケティング協会で最優秀賞を獲得するなど高い評価を受けている。デザインもハワイらしいフラが背景で、当然、モバイルにも対応。一般論だが、お役所のウェブサイトは退屈で分かりづらく、使いにくいケースが多いのも事実。そんな常識を覆そうと、ハワイ州ではゲーミフィケーション(ゲーム化)を取り入れ、わずか5カ月で利用率が20%もアップした。
行政の一般情報から住民サービス、ビジネス、観光情報まで、今や自治体にとってもウェブサイトは重要な情報発信手段となっている。住民サービスである以上、効率的かつ有益な方法でサービスを提供する必要がある。住民サービスをオンラインで提供できれば、業務も効率化を図れて経費削減につながる。ハワイ州が取り入れたゲーム化といっても、まさかシューティングゲームやロールプレイングゲームのようである訳がなく、行政のサイトには相応しくない。
ハワイ州が導入しているのは、州への申請をペーパーの書類ではなくオンラインで行ったケースへの「バッジ」や「ランキング上位のリスト)」表示をはじめ、オンライン申請による時間やコストの削減を可視化し、完了した作業と手続きに入る作業を区別して表示したりしている。これらを、ログインで使用できる住民個人のパーソナライズドページ(My.Hawaii.govのマイアカウント)に提供することで、個々の住民に向けたサービスを提供している。
最近アップグレードされたハワイ州のポータルページは多民族が暮らすハワイらしく、Google翻訳で多くの言語で表示できる。役所やEVステーション(電気自動車の充電スタンド)、人気のファーマーズマーケットなどの位置情報も提供している。州政府、郡、市の各組織が運営しているソーシャルメディアは270以上あり、リンク集も用意。画像集やYouTube動画もあり、登録ユーザは40万人を超えている。
ハワイ州が取り入れたゲーム感覚は、住民サービスを向上させるだけでなく、業務効率を上げる手段として機能している。
◎ハワイ州
HP:hawaii.gov