■【動画あり】180kgの装備を32km搬送■
米国防総省が長年、軍事用に開発してきた4足歩行ロボット「BigDog」がこのほど、ハワイで行われている多国籍軍による環太平洋合同演習(RIMPAC2014)に海兵隊として初登場した。現実の軍事演習では、足場の悪い地形にもかかわらず180kgの装備を32km運んだ。
2年ごとに実施される米海軍主催のRIMPACで、一見すると牛のような外観のロボット、BigDogは不規則な地形で水や物資を運ぶ任務を与えられた。訓練地域に散らばる小隊ごとに、物資を補給する演習で、燃料が切れるまでに、180kgの装備を32km搬送することができた。
今回のRIMPACに参加したロボットには「クージョ(Cujo)」というニックネームが付けられていた。これは、米国のモダンホラー小説家、スティーヴン・キングの同名小説に登場する、狂犬病に罹患した危険なセントバーナード犬の名前と同じだった。
BigDogの制御を担当した海兵隊員は、「人間が進める地形なら、約70~80%はを踏破できた」と語る。足場の悪い地形だけに、これまでの輸送車両に比べると、はるかに優れた結果だった。また、別の海兵隊員は、「制御装置の操作を覚えるのは、意外に簡単だった」と話していた。
資金を提供した米国防総省の国防高等研究計画局は、BigDogの開発にこれまで長い年月をかけていた。開発を担当したロボット会社「Boston Dynamics社」は昨年12月、グーグルに買収されている。
今年のRIMPACには、日本の海上自衛隊や初参加の中国海軍など、22カ国から、29の艦船、6隻の潜水艦、200機を超える航空機と25,000人以上が参加した。