吉本ばななさんの小説「まぼろしハワイ」のあとがきに、
「美しいものはなぜか悲しい・・・いや、悲しいものだからこそ美しいのだ」
というような一文があったと思う。
きっと、一瞬で消えてしまう儚さを持つものは、
その内に秘めた悲しみを打ち消すために、
幻の様に美しく輝くのだと、彼女は言いたいのだろう。
僕も、ハワイで美しく輝くものを撮っている時、同じ事を感じる。
日差しを浴びてキラキラと輝く花々や緑。
黄金色に染まりながら流れて行く雲。
つかの間の虹。
飛沫を輝かせて押し寄せる一つ一つの波たち。
空を赤く染めながら、光を失い、沈んでいく夕陽。
みんなみんな、幻のように短い間に燃え尽きて消えてしまう。
宇宙のスケールで考えれば、
太陽だって、この地球だってとても脆く儚いものだと思う。
それだからこそ、こんなにも美しいのか。
・・・あ〜、悲しい。