マウイには「シュガービーチ」という、
気の利いた名前の砂浜がある。
サトウキビの栽培が盛んだったからだろうか。 由来までは知らないが、白砂糖のように真っ白な、 ラニカイビーチ的な砂浜を想像し、 なんとなく引かれて行ってみると、 三温糖と黒糖の中間のような茶色の砂の、 どうって事ない寂しくて小さな海岸だった。
道路から波打ち際まで数メートルしかなく、 もちろんトイレもライフガード小屋も見当たらない。 きっとハワイ語の名前など無かったのだろう、 アメリカ人が仕方なく、それもかなり投げやりに 付けちゃった名前なのかも知れない。 ・・・と思うくらいガッカリなビーチだった。
ただ、よく観察すると、なだらかな起伏を持つ砂浜が、 絶えず寄せる潮を様々なカタチに変えている。 ちょっと面白くなってきて、カメラをじっと構えていると・・・ ・・・僕はなんてラッキーなんだ。 曇りぎみだった空から、波打ち際だけに日が差した。 ホント「やったぜ!」だった。
何の変哲もないそんな場所でも、 時の流れをカシャッと止めた瞬間に、 1枚の写真として輝きだすこともあるんだな。