■カウアイ沖で海に引きずり込まれ船は転覆■
カウアイ島の沖合でマグロ釣りをしていた漁師のアンソニー・ウィッチマンさん(54) = 同島コロア在住 = がさる7月19日午前7時40分ごろ、重さ100kgを超える巨大なキハダマグロと格闘し、海中に引きずり込まれて危うく溺れるところを無事に沿岸警備隊に救助された。
ウィッチマンさんは約1時間にわたって格闘した末、見事に仕留めた巨大なキハダマグロを自分の船(全長約4.3m)に引き揚げた。が、巨大なキハダマグロがバタバタと暴れ出し、海に飛び込んだ。この時に、釣り糸がウィッチマンさんの足首に絡み付き、海中へ一緒に引きずり込まれ、船は転覆した、という。
「これで死ぬかと思った」というウィッチマンさんは溺れそうになりながら、転覆してひっくり返った船底に必死でしがみつき、日ごろから準備していた携帯電話で妻のアヌヘアさんに助けを求めた。当時を振り返ったアヌヘアさんによれば、「呼吸は荒く、溺れた! 沿岸警備隊!」という声だけがようやく聞き取れたそうだ。
通報を受けた沿岸警備隊は、救助艇とヘリコプターを緊急出動。携帯電話から発信されるGPS信号から、ウィッチマンさんがカウアイ島の沖約16kmの海上に居ることを突き止め、無事に救助された。ウィルコックス記念病院に運ばれたウィッチマンさんは幸い、いくつかの擦り傷やアザができた程度の軽傷で助かった。
転覆したウィッチマンさんの船は、その日のうちに仲間が発見。引き揚げようとすると、巨大マグロにはまだ釣り糸が付いたままで、船とともに引き揚げられた。持ち帰った巨大マグロは、仲間たちへの感謝の気持ちとして、プレゼントされた。ちなみに、淡いピンク色の赤身で上品な味わいのキハダマグロ。赤身が大好きなマグロ通を唸らせる、「最高にうまいマグロだった」ということです。