■カナダ沖でM7.7の地震で■
ハワイ諸島に、けたたましい警報のサイレンが鳴り響いた。カナダ西部のクイーンシャーロット諸島沖でハワイ時間27日午後5時4分(日本時間28日午後零時4分)ごろ発生したマグニチュード(M)7.7の地震に伴い、ハワイ・オアフ島にある太平洋津波警報センターが、「津波警報」を発令した。各地で数十cmの津波は観測されたが、幸い大きな被害は報告されていない。
ハワイ州市民防衛局は、「ハワイへ津波の第一波が到達する時間は午後10時28分頃と予想。ハワイ全島で津波の影響が懸念されるので、海岸線近くにいる場合は、早く避難してください。テレビ、ラジオ、インターネットなどで関連情報の入手に努め、落ち着いた行動を心がけてください」と、メディアなどを通じて、冷静な対応を告知した。
これに伴い、海抜が低いワイキキへの車の流入を阻止するため、アラモアナ通りで一時、交通を遮断。アラモアナ通り、ニミッツ通りのほか、フリーウエイでも一時、交通規制が行われた。
当時、約2mの北東方面から押し寄せる津波が予想されたことで、オアフ島の北端にあるタートルベイ・リゾートやワイキキのホテル・コンドミニアムなどでは、宿泊客らを一時、上層階の部屋へ移動させ、各人に懐中電灯を配布するなど、緊急時に備えた。ビーチ沿いにあるハワイ島のホテルでは、宿泊客らを近くのショッピングセンターに避難させ、緊張感を癒すため、映画館でハロウィーンに関する映画を上映して、混乱を避ける工夫が見られた。
ちょうど、ダウンタウンで一足早く行われていたハロウィーンイベントも、急きょ中止。約20校のマーチングバンドやカラーガードが集い、カポレイ高校で実施中だったカポレイ・マーチングバンド・フェスティバルでは午後8時に、数百人の父兄や高校生らの観衆に対し、カポレイ高校長が自らマイクを手にして、中止を発表。安全な帰宅を促した。
昨年3月の東日本大震災による津波被害を報じた地元ハワイのTVも急きょ、予定されていた番組を中止して、一斉に「津波警報」に関する報道に切り替え。海抜が低いエリアの住民らに、高台や地元の避難所となっている学校、公園への速やかな退避を訴えていた。
現地時間午後11時25分の時点で、大きな被害は報告されていない。この項、新たな動きがあれば、随時、お知らせします。
太平洋津波警報センターは28日午前0時54分、ハワイ州の津波警報を解除し、津波注意報にレベルダウン。避難は解除されたが、引き続き港やビーチへの立ち入りは禁止されている。今後、大規模な余震発生に伴う津波発生の可能性も排除されておらず、警戒を怠らないようにご注意ください。
約3時間後、津波注意報も解除された。