■ハワイ到達予想は今年末か?■
東日本大震災から1年が経った11日までに、太平洋を漂流する津波による瓦礫(がれき)の一部が、すでに約7,300km離れた米国西海岸に到達したという報告が相次いでいる。ワシントン州の海岸で今月に入り、海からの漂流物に漁業用の浮きやブイの数が急増。日本語での記載が多く見られることから、米国海洋大気庁(NOAA)では「すべての漂流物は北太平洋で混ざることから、どれが津波によるものとは断定できない」としながらも、予想外に早い漂着に戸惑っている。
太平洋上には、津波で流出した漁船や家財道具などの瓦礫が大量に漂流。ハワイ大学内にある国際太平洋研究センターでは、「米国西海岸に漂着する時期は、2014年と予測」していた。漁業用の浮きやブイは比較的軽いため、予測より大幅に早く着いたとみられている。今後、同西海岸には、約25万トンの漂流物が到達すると見込まれている。
これらのことから、同研究センターでは、太平洋上を漂流している瓦礫が北西ハワイ諸島へ到達する時期を、当初予想の2013年初頭から今年度末に修正。今年1月、太平洋上の海流の流れが変わったことで、北西ハワイ諸島に接近する時期は早まっている。すでに、米ミッドウェー諸島付近の北太平洋で、東日本大震災に伴う津波で流されたとみられる「福島」の表示入り小型船(全長約6m)やテレビ、冷蔵庫などの漂流物を、昨年9月下旬にホノルルからウラジオストクに向けて航行中のロシア船が発見している。
津波で太平洋上に流れ込んだ瓦礫は約2,000万トンと推測。現在は100万から200万トンほどに減少し、多くは将来的にハワイ諸島とカリフォルニアの間にある「太平洋ごみベルト」と呼ばれる海洋ゴミの渦に巻き込まれる可能性が高い。その一部である約10万トンの瓦礫が、ハワイ諸島をはじめ、アラスカ、カナダから米国西海岸に流れ着くのではないか、と予想されている。
カリフォルニア州沖約1600km、ハワイ諸島との間には「太平洋ごみベルト」と呼ばれる海域がある。船や海岸からのプラスチックごみなどが海流の影響で集積。この「ごみベルト」の存在は数年前、漁船からの報告で明らかになった。範囲はテキサス州に相当する広さに及んでいるとみられるが、正確な面積やごみの量、分布状態などはまだ分かっていない。NOAAでは、「ハワイ諸島で海鳥の死骸が大量に見つかっている。体内にはプラスチックでいっぱいだ」と、今後の生態系に及ぼす影響が懸念されている。
NOAAの調査では、ごみベルトは巨大な渦巻きのような形と推定。海流の変化で季節ごとに南北に大きく移動しているため、実態を科学的に検証し、大量のごみを取り除く方法などについても研究を進めている。
日本では、1万5854人の尊い命が奪われ、今も3155人の方々が行方不明という。東京電力福島第1原発事故による放射能汚染も影響し、現在も約34万人の被災者の方々が仮設住宅などで避難生活を強いられている、とハワイにも伝わってきています。1日も早い復興を心よりお祈りしております。