■マウイ・カウアイ両島に続き郡議会で審議■
マウイ・カウアイ両島に続き、大量のプラスチック製レジ袋から環境を保護するため、スーパーマーケットなどで用いられている「レジ袋を原則として禁止する条例案」がハワイ島郡議会でも10日までに審議が始まった。環境に有害な物質を含み、見苦しいゴミとなるほか、海洋生物や動物たちへの影響などが理由。ハワイ島でも使用が禁止された場合、条例施行日から約1年間はリサイクルバックを購入することになりそうだ。
例外的に生肉やフルーツ、野菜、ドライクリーニングでの使用は暫定的に許可されるのか、違反者へのペナルティー(行政罰)などは今後の審議次第。ハワイ最大の人口とマーケットを擁するオアフ島では、まだ目立った動きはないが、ハワイの一般家庭などではゴミの分別意識が希薄なだけに、今後の動きが注目される。
日本でも環境保護への意識が進み、「レジ袋の削減や有料化」は、かなり一般的。レジ袋1枚に約18mlの原油が必要だそうで、国内で年間約300億枚のレジ袋が消費され、日本が輸入する原油の1日分に相当するという。そこで、大量消費されてきたレジ袋を有料化し、袋の利用数を削減させることで、環境に対する悪影響を減少させる動きが活発化している。
国内の一部生活協同組合では、1970年代半ばから、レジ袋有料化の動きが始まり、現在では全国の半数以上の生協で、1袋5円から10円で販売されている。主婦らが持参する買い物袋の比率は、今では8割近い、という。
レジ袋の有料化は、現実には安いはずのスーパーマーケットなどで消費者に経済的な負担を強いる方策で効果があり、辞退者にはポイントを与えるなどのメリットも奏功している。ただ、レジ袋の削減はリサイクル社会構築へのまだ一歩にすぎず、地球温暖化の防止には大きくは役に立ってないそうだ。
ハワイのスーパーマーケットなどの企業側は、従来のレジ袋の代わりに、紙袋が必要か否か、聞くことを余儀なくされている。行政の指導により、原則としてリサイクル可能な紙袋か、エコバッグの使用を進めている。ただ、地元スーパーマーケット関係者によると、「紙袋はプラスチック製に比べると、コストが約3倍以上かかり、可能な限りエコバッグの持参を呼びかけている」とコメントしている。
ハワイでは2005年から、ペットボトルやビール瓶、空き缶などをリサイクルする通称「ボトル法」がスタート。マウイ・カウアイ両島では、2008年から相次いでレジ袋を原則として禁止する条例案を可決。ハワイ島もこれらの流れに追随するもので、オアフ島へ波及するかどうかが今後の課題になっている。