■在ホノルル総領事館で未来を担う若者へ■
2013年末に打ち上げられるソユーズ宇宙船に搭乗し、日本人初の国際宇宙ステーション(ISS)コマンダー(船長)として長期滞在クルーを務めることになっている若田光一・宇宙飛行士が5月16日夕、在ホノルル日本国総領事館で、未来を担う若者たちを前に、「国際宇宙ステーション 長期滞在飛行に参加して」と題した講演を行った。
総領事公邸で行われた講演には、ハワイで語学研修中の東日本大震災で被災した生徒も多い宮城・仙台育英高の生徒のほか、地元の(財)ハワイ日本人学校「レインボー学園」の中学部3年生、総領事館関係者ら約60人が出席した。
「夢、探究心、思いやり」がモットーと話す若田光一・宇宙飛行士は「人間の科学技術の力はすごい。阪神淡路大震災の翌年、宇宙から復興する神戸の明るさが見えた。いま命があることを忘れず、感謝の気持ちを持ち続けることが大切。頑張ってください」と、ハワイから被災地へエールを贈った。
若田光一さんは、1963年埼玉県生まれ。九州大学、同大学院を経て、日本航空に入社。92年に宇宙飛行士に選ばれ、93年にスペースシャトルのミッション・スペシャリスト資格を取得、96年にスペースシャトル・エンデバーに搭乗した。2000年にはスペースシャトル・ディスカバリーに搭乗し、ISSの建設に参加。06年には第10回NASA極限環境ミッション 運用にコマンダーとして参加。ロシアでソユーズ有人宇宙船フライトエンジニアの訓練を行った後、09年にはスペースシャトル・ディスカバリーに搭乗し、日本人として初めてISSで長期滞在した。
若田・宇宙飛行士は現在、米航空宇宙局(NASA)宇宙飛行士室のISS運用ブランチ・チーフ、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士グループ長として従事。同宇宙飛行士は2013年末に打ち上げられるソユーズ宇宙船に搭乗し、第38次長期滞在クルーのフライトエンジニアとして約4カ月間、第39次長期滞在クルーのコマンダーとして約2カ月間、ISSで長期滞在する。日本人がISSコマンダーとなるのは今回が初めてとなる。