深夜、早朝の主力はバス・タクシー。京急・東京モノレールも
10月末に羽田-ホノルル便などの国際定期便が運航されることで国土交通省などは27日までに、羽田空港の交通アクセスの利便性向上や輸送力強化を決めた。深夜早朝時間帯はバスやタクシーが主力となる。京急電鉄はすでに羽田空港行きの新設や急行・快特を増発、東京モノレールも快速列車を増強する。始発の繰り上げや終発の繰り下げについては、保守点検などの課題があり、両社とも現在検討中としている。
京急電鉄と東京モノレールは、国際線旅客ターミナルに直結する新駅を開設。手荷物の大型化に対応するため、改札内にカートで入れるようにする。京急電鉄ではホーム階まで、東京モノレールではコンコースまでカートを利用できる。国際線と国内線の乗り継ぎでターミナル間を移動するのは無料で、国際線利用者への利便性と快適性が向上している。
バスはこれまでにも、深夜早朝時間帯のチャーター便に臨時運行で対応。この実績があることで、定期運行化することを検討している。既存の池袋、新宿、品川、横浜の各ターミナル行きに加え、新規路線の開設や始発、終発の時間変更も検討している。また、現在、国内線地区に乗り入れている路線は、一部を除き、原則として新国際線地区に乗り入れる計画だ。
タクシーは、乗り場での接遇や外国人とのコミュニケーション方法などの講習を修了した運転者にステッカーを発行。保有者のみ乗り入れ可能とする。また、供用開始後、当面は乗り場指導員とポーターを24時間体制で配置する予定になっている。外国語案内やバス乗り場の分かりやすさ、大きな荷物を抱える旅行客やグループへの対応も考慮されている。
羽田空港は東京都心から近く、乗り継ぎで国内約50都市を結ぶネットワークがある。たとえば、ホノルル便は夜遅い時間帯のフライトになるため、仕事後にそのままハワイへ行けるようになるので、早くも大きな需要が見込まれ、料金は成田便より各社とも高値設定。経営不振にあえぐ航空各社とって、羽田空港の国際化は願ってもない業績回復への好機とみられている。
これらを受けて日本旅行業協会は、8月1日から11月10日まで、羽田空港利用促進キャンペーンを行う。東京、横浜などの首都圏を中心にポスターを掲示し、京急や東京モノレールの車内でも告知。クイズに答えた正解者の中から、抽選で羽田発着の航空券ペア20組や海外ホテル宿泊券ペア20組、記念品100点をプレゼントする計画になっている。