6/16からマウイ・フィルム・フェスティバル
日系人の442連隊の真実を綴ったドキュメンタリー映画など約40作品が上映される「第11回マウイ・フィルム・フェスティバル」が6月16日から5日間、マウイ島南西部にある高級リゾート地区ワイレアで行われる。33代大統領トルーマンに「諸君は敵だけでなく偏見とも闘い、勝ったのだ」と言わせた442連隊。ハワイの日系二世で結成されイタリア戦線に送られた100大隊と並び、第二次大戦中の米陸軍に於いて主に日系米国人で編成され、その規模と活動期間では史上最も多くの勲章を獲得したことで今も日系人の誇りとされている。
このドキュメンタリーは第二次大戦中、欧州の最も危険と言われる戦場で闘った若い日系人兵士たちの真実の物語。当時、彼らはまだ青年だった。日本は米国の敵国で、日系人は厳しい差別を受け、多くの人たちが収容所に入ることを強制された。しかし、米国に生きる日系人たちの未来を背負った青年たちは、勇猛果敢に戦った。「誰ひとりとして、生きて故郷に帰れると思っていた兵士はいなかった」という。
彼らには闘いに身を挺する必要があった。それ故、「バンザイチャージ」に代表される激しい闘いで伝説の部隊となるほど成果を上げた。そんな当時の過酷な戦場を幸運にも生き抜いた兵士は、今では80歳後半から90歳代。彼らが語る事実を聞くと、日々の困難や苦労がいかに大したことがなく、生きているだけで、どれだけのチャンスが与えられているか、を改めて実感させてくれる映画となっている。
国を愛するということはどういうことなのか、また日本人を祖先に持ちつつ、米国人としての自らのアイデンティティを確立することの意味などを問うこのドキュメンタリー。映画で描かれたのは、「知られざる日系史」で、また「日系人への人種差別」であり、「人を殺し殺される戦場で彼らが直面し考えた戦争と平和」とは何か? 「この映画が平和を願う多くの人たちと思いが通じ合い、歴史の教訓を活かせる素材になれば幸いである」というのが製作者の願いといえる。
上映は20日午後1時半から、マウイ芸術文化センターで。$10。97分間。監督はベテランのすずきじゅんいち、音楽はゴールデングローブ賞やグラミー賞受賞者の喜多郎が担当。詳細は公式ウェブサイト(www.442film.com)をご覧ください。その他の作品の上映時間やイベントの詳細は下記HPを参照。
20日までの期間中、ダンス・パーティー「スターリー・ナイト・ムーン・ダンス」、映画製作者を迎えて行われるパネル・ディスカッション、多彩なチョコレート製品が味わえる「テイスト・オブ・チョコレート」、11の有名レストランが出店する「テイスト・オブ・ワイレア」、昨年のアカデミー賞でプレゼンターを務めた俳優ザック・エフロンと、サーフィンをテーマとした映画の製作で知られるテイラー・スティール監督の受賞式なども催される。
◎マウイ・フィルム・フェスティバル
日時:6月16日(水)~20日(日)
上映場所:
◇ワイレア・リゾート内 ワイレア・ゴールド&エメラルド・ゴルフ・コース
住所:100 Wailea Golf Club Drive, Wailea, Hawaii 96753
◇マウイ芸術文化センター
住所:1 Cameron Way, Kahului, Hawaii 96732
お問い合わせ:(808) 579-9244
チケット:www.mauifilmfestival.com/mffw_tickets.php
HP:www.mauifilmfestival.com