航空機利用のテロ対策で7月にも実施
金属探知機では発見できない化学物質などの爆発物関連物質を検知できる「ボディースキャナー」が今年7月をめどに、成田国際空港に設置されて有効性についての実証実験が行われることが決まった。実証実験は、ミリ波型のボディースキャナーが使用される。
昨年末、オランダ・アムステルダム発、米・デトロイト行きの米系航空機テロ未遂事件で、金属探知機では発見できない化学物質が爆薬として使用されたことなどが契機。すでにオランダや豪州、米国など各国で導入や試験運用が進められている。
ボディースキャナーは各国が航空機利用のテロ対策を改めて強化しているのを受けた措置だが、プライバシーの侵害につながる懸念も指摘されている。今月中に実行委員会が設置され、実施方法や有効性のほか、プライバシー保護などについて議論。実証実験の期間は、1~2カ月程度の予定となっている。
国土交通省は、3月13日に開催されたアジア太平洋地域航空保安大臣会合の共同宣言を受け実証実験を決定。「個人のプライバシーや安全を尊重しながら、持ち込みが禁じられている物質を検知し、またそのような物質の機内への持ち込みを阻止するために現代技術を活用する」などが盛り込まれた。