ハワイロード

ESTA(電子渡航認証システム)有料化決定

米「旅行促進法」が可決、最大2億ドルでプロモ実施

旅行のプロモーションを目的とした「旅行促進法(Travel Promotion Act)」が、米国上院でこのほど可決された。オックスフォード・エコノミックスの分析によると、160万人の訪米旅行者と40億ドル(約3600億円)の新たな経済効果が望める、という。プロモーション費用は官民で折半。国の財源はすでにお伝えしたように、ESTA(電子渡航認証システム)の有料化で賄い、民間部門の出資と合わせ、最大2億ドル(約180億)の基金を確保する。スタートは2011年以降のため、ESTA有料化(10ドル)やプロモーションの具体策は検討課題となっている。

旅行促進法の実施に備えて新組織が設立され、米国の商務省、国土安全保障省、州当局などと協力。旅行プロモーションと米国の安全に対する基本方針の理解向上に努める計画だ。この法案は民主、共和両党から圧倒的に支持された、という。オバマ大統領が3月4日に署名したことで、具体的に法令化される見込みになっている。

これに関連し、国土安全保安省は、ESTAを取得していない搭乗客を乗せた航空会社から罰金を徴収することをこのほど発表した。罰金額は不明だが、早ければ今春からの実施を予定。これに対し、全米旅行業協会は、ESTAが米国にとって重要なセキュリティ・プログラムであることを十分に認識した上で、「米国に被害を及ぼす恐れがない旅行者の入国拒否や多くの旅行者が米国便への搭乗拒否を受けることになるのでは」と反発している。

同協会では、またESTAを申請していないビザ免除渡航者に対して、個人情報を確認した上で、到着時に入国審査所で必ずESTAの登録を完了することを条件に、1回目に限り搭乗を許可すべき、と国に要望。ESTA申請が必要な旅行者のために、国際空港のターミナルなどにインターネットキオスクを設置すべき、ともしている。

今回のセキュリティー案が実施されると、1日平均2200人の海外旅行者が搭乗拒否されることが予想されている。これまで以上に、多くの海外渡航者にESTA登録を認知させないと、米国政府は毎月約67,000人の旅行者を失い、1日平均1320万ドルの経済的損失、約130人が失業する恐れにつながるとしている。

2001年の9.11以降、セキュリティー強化に対するマイナスイメージにより、米国への海外渡航者が激減したことが明らかになっている。過去10年間の海外旅行をみると、00年から09年にかけて世界の長距離旅行者は4600万人増えたが、米国への渡航者は240万人減少。米国が国際長距離旅行の成長に対して促進を行っていなかった期間中、約6800万人の米国への渡航者減少と5000億ドルの損失になったと報告されている。

◎ESTA(電子渡航認証システム)オンライン申請

オフィシャルHP:https://esta.cbp.dhs.gov/esta/esta.html
申請ガイド:http://tokyo.usembassy.gov/pdfs/wwwf-esta2008j.pdf
Q&A:http://tokyo.usembassy.gov/j/visa/tvisaj-estageneralfaq.html