ハワイ主要諸島のビーチと海にも保護区域を拡大
ハワイでも1200頭以下しか確認できず絶滅の恐れがある「ハワイアン・モンクシール(モンクアザラシ)」の保護を強化するため、米連邦絶滅危惧種保護法の適用範囲が拡大されることが13日までに明らかになった。モンクアザラシは世界で最も絶滅の危機に瀕している海洋哺乳動物で、年々減少している。モンクアザラシの保護地域が初めて指定されたのは1986年。これまでハワイ北西諸島の大部分は無人島に限られていたが、新たにハワイ主要諸島のビーチと海も加えられることになった。
モンクアザラシは主に、ハワイ諸島北西部からミッドウェー諸島にわたる海域に生息。体長はオス2.1m、メス2.3m。体重はオス約200kg、メス約270kg。体色は褐色または銀灰色で頭部は丸く、単独もしくはペアで生活する。食性は肉食性で魚類や軟体動物を食べる。19世紀にアザラシ猟のため個体数が激減。その後も環境破壊による減少が続き、現在の生息数は1300~1400頭程度とみられている。モンクアザラシには、ハワイアンモンクアザラシのほか、チチュウカイモンクアザラシ、カリブモンクアザラシの3種が知られ、すでにカリブモンクアザラシは50年以上前に絶滅したとされている。
写真は、1904年に創立された米国の公立水族館では3番目に古い歴史を持つ「ワイキキ水族館」で撮影。小規模な施設ながらハワイ大学が管理する熱帯太平洋の海洋生物の展示・研究では世界的に有名で、ハワイに生息する海洋生物の約3割がハワイ以外にはいない希少なものとなっている。世界で最も絶滅の危機に瀕しているモンクアザラシだが、森羅万象ことごとく連鎖しているだけに、地球温暖化などと並び、人類への警鐘と思えてならない。ちなみに、上記の標識の通り、モンクアザラシは触ったり、一定の距離内に近づくことなども連邦法とハワイ州法で禁じられている。